出逢いは戦場。

炎の様な赤を纏い、2槍を振るう青年。

対峙するは―

蒼穹の様な蒼を纏い、六振りもの刀を操る青年。

「我が名は真田源次郎幸村!いざ、参る!!」

「奥州筆頭・伊達政宗。推して参る」

自軍の兵や腹心の部下が止めるのも聞かずに、広い荒野に2人きりで対峙する。

交差する視線と刃。

実力が拮抗している2人の攻撃は相手の体を掠めるだけで、致命傷を与えられない。

「くっ・・・流石は、独眼竜殿ッ」

ぜぇはぁ、と肩で息をする幸村。

「Haッ。アンタ・・・強いな」

政宗も肩で息をしている。

プワァァァァァ〜〜〜〜。

息を整えようとしていた2人の耳に、撤退を知らせる法螺貝の音が聞えた。

武田軍のに混ざり、伊達軍の法螺貝の音も響く。

「チッ!撤退か。この勝負、預けたぜ。真田幸村」

「むぅ。致し方ない。独眼竜殿、次こそは勝負を着けましょうぞ」

刀を仕舞いながら幸村に念押しをする政宗に、幸村も唸りながら返した。

小煩い従者の気配を感じて、2人はお互いに背を向けた。



初めての対峙から、数ヵ月。

2人は再び、戦場で再会した。

「よう。真田幸村。逢いたかったぜ」

「伊達政宗・・・某も、再び合間見える日を楽しみにしておりました」

「「いざっ!!」」

お互いに笑みを浮かべて、武器を構える。


そして―

二回目の勝負も、結局は勝敗が付かず双方の痛み分けに終わった。

その数日後。

2人は運命の再会を果たす。