「絆は大切だぞ!三成」
「絆、絆と。五月蠅いわ!」
出会い頭でギャンギャンと言い合う徳川家康と石田三成。
「やれやれ。今日も元気よの」
言い争う2人から距離を取り、のんびりとしているのは大谷吉継と、お茶の準備をしている猿飛佐助と片倉小十郎。
伊達政宗が持参した重箱を見つめる真田幸村。
「大谷さーん。敷物敷いたから、こっちにどーぞ」
どういう原理かは不明だが、ふよふよと浮いていた大谷が佐助の呼びかけに頷き、敷物の上に座った。
「アンタ、甘味は平気か?」
重箱を幸村に渡し、別に持っていた包みを開けながら政宗が訊ねれば、大谷はゆっくりと頷いた。
「苦手ではないな。だが、甘味は三成の方が」
「刑部!余計な事を言うな!!」
大谷の言葉を遮るように三成が叫んだ。
「(地獄耳)」×4
「地獄耳だの」
政宗、幸村、小十郎、佐助の4人の一致した感想を、大谷は楽しそうに言う。
「大谷さん、楽しそうね」
淹れたてのお茶を配りながら、佐助が言えば、大谷は笑う。
「楽しいぞ。あれで三成も楽しんでおる」
サラリと言う大谷の言葉に、全員が家康を怒鳴りつけている三成を見た。
未だにギャンギャンと言い合いをしている2人を離れた場所から眺め、大谷に視線を移せばのんびりとお茶を啜っている。
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