橙色の髪を梳きながら、眠る佐助を見つめる小十郎。

時折、温かくなった手拭いを取り替えつつ、目を覚ましては喉の渇きを訴える佐助にゆっくりと水を飲ませてやる。

「小十郎さん。ごめんね」

珍しく寝込んで、弱気になっている佐助は、小十郎の手を放そうとしない。

「気にするな。政宗様も政務は終わらせて来たし、緊急のモノは黒脛布が届ける手はずになっている。安心して眠れ」

佐助しか見ることが出来ない、優しい顔をする小十郎に、佐助は瞳に涙を浮かべた。

「うん。ホントにごめんなさい」

「謝罪は要らん。病気のトキは誰でも弱気になるもんだ」

佐助を気遣う小十郎の言葉に、佐助は頷いた。

「まだ具合悪いんだろう?もう少し眠れ。メシの時間になったら起こしてやる」

「うん。ありがとう」

柔らかく笑ったあと、佐助は気絶するように眠った。