眠ってしまった幸村の様子を窺いながら、寝巻きを着せて布団に寝かせると、政宗は障子を少しだけ開けた状態で縁側に座り込んだ。

「・・・ん?政宗殿?」

そよそよと吹く風にあたっていた政宗の耳に、幸村の声が届いた。

「Ah〜。目が覚めたのか?幸村」

布団に入ったままの幸村の隣に腰を下ろすと、政宗は話しかけた。

「某は、政宗殿と話しをする事を楽しみにしていたでござるよ」

ぷぅ、と頬を膨らませる幸村は幼い子供の様に拗ねている。

「sorry。悪かった」

幸村の髪を梳きながら謝る政宗に、幸村はむぅと膨れたまま。

「今晩は、ナシでござる!」

「げっ!?本気か?」

「本気でござる。夜は某の話しに付き合ってもらいまする」

分が悪い政宗は早々に折れた。

「分かった。今日の夜はとことん、お前の話しに付き合ってやるよ」

政宗の返事を聞いて笑顔を見せた幸村に、政宗は心から思った。

「(次からは気を付けよう。夜のお預けの方が辛い)」

と。