Assumption/04


エレンが知らぬ間に、話はとんとんと進んでいったらしい。現在、彼女の目の前には、いつも通りの笑みを浮かべたスティーブが二枚の紙切れを手にして立っていた。

「今夜、行こうぜ」
「……どうやって買ったの? 四十ユーロもするよね」
「あの人から出世払いで金を前借りした」

しれっと吐かれた台詞でエレンは苦い顔つきになったが、スティーブはまったく意に介することなくエレンの肩を叩いた。

「じゃ、九時に俺ん家の前で集合な!」

もしこれで行かなかったならば、スティーブはどのくらい激怒するのだろうか。
ありもしない仮定を想像して、エレンはわずかに身体を震わせた。


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