Galgenhumor | ナノ

プロローグ


そういう運命だったって、諦められればよかったのかもしれない。
そうすれば、この人生だって、もっと幸せに送れたかもしれない。
でも、私は信じたかった。
いつか笑顔になれる日がくるって、
みんなで愛し合える日がくるって、
ただそれだけを、ずっと盲目的に信じたかった――。

だから、わたしは――……。


少女はひとり、雨に濡れながら薄れゆく意識と共に呟いた。
その頭上に広がる黒々とした天がその言葉を受けとったかどうかは、ここではさして重要ではない。
なぜならば、少女は自分自身に向けて祈ったのだ。
ただ一心に、それだけを願ったのだ。

「次こそは、幸せな人生を」





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