∴ 他殺願望
あなたが死んでくれたら、私はどれだけ嬉しいだろう。
理想に生きるあなたは、私にとっては苦しみを与える存在だ。
初めから望まなければ楽なのに、どうして高望みをするの?
望めるほど自分をえらいとでも思っているの?
それとも、なにも自分のことが分からないの?
違う。
違う、そうじゃない。
あなたは眼をそらしている。
自分の無能さを見ていない。理解していない。考えようともしていない。
ただ無責任に与えられた仮初めの評価で眼を覆い、そのまま人生という道を進もうとしているだけじゃないか。
あなたの進む先が、本当に前方であると思いこんでいるの?
そんな幸せな妄想を信じているの?
あなたはなにも見えていない。
幼稚なまま、成長せずに崖から落ちようとしている。
そのまま真っ逆さまに落下して死んでくれたらいいと、私はただ願っている。
そうすれば、私はきっと現実的に生きられるでしょう。
もっともっと、生きやすくなるでしょう。
肥大した自己評価など死んでしまえ。
夢を見る甘さなんて死んでしまえ。
現実を直視できない私なんて、今すぐにでも死んでしまえ。
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