小説 | ナノ


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「みっちゃーん、機嫌直してよ」

バスに乗ってからもご機嫌ななめのままの困った後輩君。
いろいろ考えて、一人だけ会話に入れなかったから拗ねてるんだろうなって結論にたどり着いた。
座っている刑部と困り笑顔で顔を合わせる。

「三成、我らだけの世界を作って悪かった、涼花も困っている」
「会話から外そうなんてつもりじゃなかったんだよ、本当に」

まだむすっとしていたみっちゃんがやっと口を開いた。

「いや、私も子供すぎた…すまない」
「んーん、こっちこそごめんね」
「…1歳の差が悔しくなった」

1歳の差でも高校と中学じゃ大きな差に見えてしまうから仕方ない。
なんで自分だけ、ってなってしまうんだろう。たかが1歳だけど学生だと大きな差に見える時があるよね。

私達含め学生が婆娑羅学園前のバス停で降りていく、私と刑部は右へみっちゃんは左へ。

「みっちゃん、また放課後!」
「涼花刑部に迷惑かけるんじゃないぞ」
「やれ大丈夫よ三成、我が迷惑かけるゆえ」

みっちゃんに手を振り、刑部に合わせてゆっくりと歩く。
刑部は遊園地以来足の調子がいいらしい、将来的に車椅子を使わなくていいように出来る範囲でリハビリとして歩くようにしてる。
万が一のため学校には車椅子を用意しているから、調子が悪くなっても平気にしてある。

校門をくぐると元就に出会った。

「おはよう元就」
「おはよう涼花、刑部」

三人で並んで下駄箱へと向かう、刑部は隣のクラスなので少しの間離れる。
ローファーを脱ぎ靴箱にいれると上履きへと履き替える。
同じクラスの子とも挨拶を交わして、また三人で教室へと向かう。

なんでもない私の登校風景

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