小説 | ナノ


11

元就にコーヒーカップ(という名の絶叫マシン)に乗せられてから数分後なぜかジェットコースターの列に並んでました。

「あの、私休みたい」
「大丈夫だろ、楽しいんだから休んでる暇なんてねぇぜ?」
「元親嫌い」

私の言葉に焦りだす元親を横目にみっちゃんと刑部さんに話しかけようと後方を見た。
みっちゃんも刑部さんも楽しそうにしてたから、まぁいいかな。元親と伊達政宗がチケットくれたんだし、許してあげてもいいかも。

「みっちゃん、刑部さん。楽しいね」
「つまらなくはないな」
「ヒヒッ…こうゆうのも良かろ」
「素直じゃないよねー…楽しいなら良かったよ。ありがと、元親、政宗」

私の言葉に三成は不服そうな顔しているけど、元親と伊達政宗は喜んでいた。
いや、元親は許されたことに関してなんだろうし、爽やかな笑顔だったんだけど、伊達政宗は政宗と呼ばれたことに対してだし、爽やかな笑顔っていうか、なんだかこうなる事は分かってたみたいな顔のほうが近いからうざい。

「やっぱ、伊達政宗嫌い」
「照れ隠しだろ、honeyは可愛いな」
「もうやだこの筆頭」

顔を手で覆ってみるもそれすら照れ隠しと言うのであからさまに嫌な顔してみたら少しだけしょぼんとしてたから、なんか勝った気がした。あの伊達政宗をしょんぼりさせるってなんか楽しい。
そうやってふざけていると順番がやってきてしまった。

「一番前か…なんか嬉しいけど怖いわ。あと疲れそう」
「なら俺様がとなり座ろうか?」
「うーん…」

佐助が隣でも嫌ではないんだけど、すぐに返事ができなかったのはさっきからかった伊達政宗が本当に元気をなくしてるのが見えてからかもしれない。もし見えなかったらすぐ返事してたと思う。

「伊達政宗、となり座る?」
「涼花は嫌なんだろ?」
「嫌だけど、元気のない政宗はもっと嫌」

そう言えば、政宗は少しづつ元気になっていた。やっぱ政宗はこれじゃなきゃダメだね。
先に乗り込んだ政宗は笑顔だった。たまには仲良くするのもいいかもね。

「まぁ、もとから嫌いなわけじゃないし」
「Thanks.涼花……俺もやりすぎだったとは思ってる、悪かったな」

そんな事を言っているが、場所はジェットコースターだし、このあと私は急降下した後にものすごい速度で振り回されるんだ。なんて嬉しくないんだろう。それに私は数分前に高速でぐるぐる回されたのだ、なんで今ジェットコースターに乗ってるんだろう。

「やっぱり、さっき休ませて欲しかったなあぁぁぁあぁぁ!」

叫びに混ざる本音

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