小説 | ナノ


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取り敢えずそのあとは三人で世間話でもしながら散歩をしていた。
みっちゃんと刑部さんはここの近くのコンビニ(あったんだ……)に朝ごはんを買いに来たらしくおにぎりとお茶を買ってた。
今日は財布を持ってきたてから私もそこでちょっとしたお菓子とお兄ちゃんが好きって言っていたシュークリームを買って私はまた、みっちゃん達と帰った。

ちなみに、何故身分の低かった私が石田三成のことをみっちゃんと呼んでいるのかは、私が半兵衛様に仕えたときみっちゃんが人を馬鹿にした様に

「貴様のような忍風情が半兵衛様や秀吉様に近づいていいわけがない!」

とかグチグチ言ってきたのが始まりだった気もする。大体、私は半兵衛様直々に里から引き抜かれたし、秀吉様から半兵衛様を任された。
言わば、豊臣秀吉の右腕の右腕なのだ。実際に私は忍ながらも半兵衛様の右腕としてお側にいたわけであり、半兵衛様の体調が悪い場合は私が変わって指揮をとったこともある。

「っていうことなんだけどね、お兄ちゃん知ってた?お隣さんみっちゃんと刑部さんなんだよ」
「それは本当かい?ここも騒がしくなるね」
「あーあ、またみっちゃんに半兵衛様がどうたらこうたらって言われるよ……」
「その時は僕から言うさ、涼花君は僕の妹だって」
「……まぁ、実際はただの親戚だけどね。お兄ちゃんそろそろ行かないとまずいんじゃない?」

お兄ちゃんがチラリと壁に掛けてあった時計を見る。今の時間は6:30

「あぁ、本当だ」
「私が片付けしとくから、あ、今日は夜ご飯食べに来てよ」
「助かるよ、ありがとう涼花。それじゃ行ってくるね」

そう言ってお兄ちゃんは私の頭をクシャっと撫でてから出かけていった。
にしても、お兄ちゃんが私のことを"涼花"と呼び捨てにしたのは不意打ちだった。不覚にもドキッとしてしまったし……

「行ってらっしゃい……」

私がそう言葉を発せたのは、お兄ちゃんの車が動くのを見た後だった。

あれ、もしかして……


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