小説 | ナノ


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カーテンの隙間から溢れた太陽光で私は目を覚ました。目覚まし時計を見るといつもの起床時刻より1時間も早く二度寝しようとも思ったのだが珍しく目覚めが良かったのでやめた。
初登校からは既に1週間ほど過ぎている、相変わらず教室に篭っているからか佐助、元就、政宗、真田君以外の人には会ってない。可能性としてはこっちにいないということもあるので特に気にしてはいないが。

「散歩……してこようかな」

部屋の窓から外を覗いてみる、特に変わってるものがあるわけではないけども、何故かすごく綺麗に見えた。
朝ごはんを作りに来ていたお兄ちゃんに散歩してくると一言伝え玄関を出る。

朝の新鮮な空気を吸うと喉をスーっと通っていった。毎朝吸っているはずの空気が今日は違うものに感じられる。
今日は休日、だけどお兄ちゃんは学校へ行く、先生だから仕方ないけど。

「そういえば……ここら辺歩くのは初めてかもしれないな……」

こっちに引っ越してきてからは、お兄ちゃんが車で送り迎えしてくれるし買い物もそう。
家に帰ってきても夜ご飯作って食べて、お風呂入って色々したら寝るだけだし、コンビニとかも行かなかったから近所を歩くのは初めてだったりする。
そこまで方向音痴ってわけじゃないし、家に帰れるとは思う。

「やれ、三成。挨拶回りしなくて良いのか?」
「それよりも刑部、まずは朝食を取るべきだ」
「いや不思議よな、食事を取らなかった主が食べるようになったのは」

昔聞きなれた声と名前が聞こえてくる。
声のする方を向くと、そこには私に何かと突っかかってきた石田三成ことみっちゃんとその親友、大谷吉継こと刑部がいた。

「あ……みっちゃん、刑部さん」

思わず声をかけてしまった。向こうは私のこと覚えてるか分からないのに。

「誰だきさ……小日向か?」
「久しぶり」
「主も変わらぬな小日向」

どうやら2人とも覚えていたようだ。みっちゃんは驚いた顔をして私を見ている。刑部さんは相変わらず怪しげに笑っている。

「刑部さんは包帯ぐるぐる巻きじゃなくなりましたね、足まだ悪いんですか?」
「いや、少しなら歩ける。ただ少し歩くと疲れるツカレル」

とある日の朝の出来事


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