小説 | ナノ


7

SHRも終わり休み時間を挟んで1時間目が始まる。1時間目はHRなのだが、特にこれといってすることはないと言っていたこじゅ先生が爆弾発言を落とした。

「おい、お前らこの時間は小日向と好友を深める時間にしてやる」

この一言で伊達を始め多くの人物が私のもとへと寄ってきた。
前はどこの学校にいたの?とか好きなものは何?とか。若干数名おかしな質問をしてきたが、伊達とか佐助とか伊達とかが。

「おい、涼花なんで俺じゃなく猿のところに行った!」
「涼花ちゃんはいつになったら俺様と付き合ってくれるのー」

「前の学校は仙石高校、好きなものは甘いものかな!伊達、まずお前はセクハラ魔だからだ、佐助いつ付き合うなんて話が出た」

この時間を地獄にした当の本人は知らないフリ、しかも本を読んでるし。視線が痛いと思っていたら元就が後ろから睨むように見てくるし。
いや、話しかけたほうが早いだろとか思いつつも、自分の席を立ち元就の前に行く。

「元就はどうしたのさ、睨んで」

「睨んでなどおらぬわ、貴様今までどこにいた我との約束を破りおって」

約束……ね。
前世で私と元就は個人的に会っていたことが多かった。最後に会った時の最初で最後の約束が「絶対に戦で命を落とすな、そして来世では我と共に居ろ」これだった。
既に私は主を庇って戦で命を落とした、約束は果たせていない。

「うん、ごめん……もう一つの方なら約束を守るよ」
「……そうでなければ貴様のことを今蹴飛ばしていたところよ」
「それは勘弁」

周りから色々言われているみたいではあるが、今はそれどころではない。
何故か、元就にキスをされているからである。私もありえないほどに混乱しているのだから仕方ない。
キスは一瞬だったけど、体感時間は長く感じた。実は元就、前世も今もファーストキスの相手です。

「……あのー毛利さん?なぜキスをしたのでしょうか?」
「約束を守ると言ったであろうが、我と共に居るのであろう?」

爆弾発言を落とした元就はいつも以上に真剣な表情で、あれだけうるさかった周りが一瞬にして静かになる。

「いや、そうだけど……?」

そしてまたうるさくなる、主に二人のせいで。

「おい、毛利てめぇ!俺のhoneyに何しやがった!」
「ちょっ、毛利の旦那いつの間に結婚の約束してるのさ!」

まず最初に言いたいことがある。
こいつらをどうにかしてください、こじゅ先生……ってなんか若干落ち込んでる気がするんだけど……

「伊達、私はお前のhoneyじゃない。それに佐助結婚の約束はしてない」

元就の言いたいことはなんとなくわかってたけど、今世ではまだ恋人ではないですよ…
あぁ、さよなら私の平穏な学生生活。

既に転校したいです

prev / next

[ back to top ]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -