4.5話







「ん。さすが僕。」

カタ カラン
テーブルに皿を並べる並盛で一番強い不良、並盛中学風紀委員長の雲雀恭弥は料理を作っていた。
片手には料理本。

「こんなもんかな。」

テーブルに並ぶはフランスのフルコースと言われる料理たち。
前菜とその横にはパンとスープ。
メインディッシュに山本が好きであろう牛肉。
デザートは暑い夏にぴったりのアイス。
どれもこれも食欲をそそるものばかりだ。


ガタ
雲雀はイスに座る。

もぐもぐもぐ
フォークを持って作った料理を食べ始める。

「……これならあいつも喜んでくれるかな。」

自分の作ったものをゆっくり味わいながら山本の事を思い浮かべる。

「ちょっと、これじゃあいつのお腹は満たされないか…。」

食べてはくれるだろうが腹いっぱいにはならないだろう。
僕はちょうどいいけど、あいつは大食いだから。

「量を増やすか、一品増やすか、メニューを変更するか…。」

んー悩みどころだ…。

「……ちらし寿司作ったら喜んでくれるかな。」

フルコースには合わないけど、和が入っているからきっと山本も喜ぶはず。


「……早く来ないかな、8月。」

そしたら彼が泊まりに来る。
この料理は彼を驚かせるためのもの。
早く君の驚く顔を僕に見せてよ?










おまけ完


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