いつまでも愛してる




僕が綱吉を見つけたのは、ミルフィオーレに山本と潜入した時だった。


「つな…よし…? 綱吉!!」

情報を多く集めるために途中で山本とわかれた僕はメインコンピューター室へと向かっていた。
その一歩前の部屋で、僕は血だらけの彼を発見したのだ。

僕は慌てて駆け寄る。

「綱吉?!」

「ひ、雲雀さ…ん。」

「ねぇ、大丈夫。しっかりしなよ。」

僕は息もままならない綱吉を抱きかかえる。

「雲雀さん……逃げて!!」

「!!」

ズガーン
ツナがそう叫ぶと同時に雲雀は何かを察知しツナを抱えたまま横へと飛ぶ。
銃撃だ、

「くっ」

少し反応が鈍った雲雀は方へとその攻撃を受けてしまう。

「雲雀さん…。」

「大丈夫。」

ツナの心配そうな顔をよそに雲雀はツナを抱きかかえたまま飛んでくる銃撃を避けた。


それが敵の時間稼ぎだった…

ビービービービー

警報が鳴ったと同時に扉からは溢れかえるほどのホワイトスペルの奴等。

「くっ」

これじゃ戦えない…。
「雲雀さん…俺を置いて…逃げて…ください。」

君、馬鹿じゃないの?
一応、僕をあいつと一緒に置いてくれたこと、感謝してるんだからその借りくらい僕にかえさせなよ。

言う体力はなくて心の中で呟いたことだけど。

「!!」

「早く…このままじゃ…。」

「黙ってなよ。」

雲雀はツナを俵担ぎにしてボックスからトンファーとハリネズミを出す。

「……行くよ。」

雲雀は敵に突っ込んだ―――――






ビービービービー
「メインコンピューターに侵入者だ!」
ドタバタドタバタドタバタ
ホワイトスペルの奴等が俺の隠れている通路の横を通っていく。

「(メインコンピューター…ヒバリ?!)」

いやそんなヘマを冒す奴でないはず。
何か見つかるようなものがあったのか…
なんにしてもヒバリがあぶねぇ!
いそがねーと!!



「………。」

ドシュ バシュ キィィィン バキッ
敵をつぶしていく雲雀、しかし彼はさっきから頭の中にある疑問が浮かび上がっていた。


さっきから違和感がある。
肩に乗ってると思う綱吉が軽くて仕方ない。
いや確かに彼は軽いけども、そういう意味じゃなくて人間の重さというのを感じられない。
あと血だ、あんなに出血してると思ったのに僕の肩に血が付いていない。
そもそも、なぜ彼はこんなところに倒れていたんだ…


「(そういうこと…まんまとやられたよ…)」

ドサッ

「!! ひ、雲雀さ…」

「幻覚の分際で僕の名前呼ばないでくれる?」

「何言ってるんですk」

「まんまと騙されたよ。
僕の動揺を誘うために綱吉に化けるなんて。」

「………」

「さぁ、噛み殺される時間だよ。」

「……クス」

今まで黙っていた。
トンファーを突き付けられた綱吉は
怪しく笑った。

「いいんですか?
俺をこのまま放っておいて俺が死んだら本体も死んじゃいますけど?」

ツナの顔した奴は笑って言う。
さぁ殺せとホワイトスペルの奴に命令している。
命令された奴は躊躇しながらもツナに向かって剣を大きく振りかぶった。

「!!」

雲雀はツナに駆け寄り自分の身を盾に…
グサッ

「つな…よし」

「残念でしたね、雲雀さん。
俺は本体に繋がっていないただの幻覚ですよ。」

「くっ。」

バタッ
雲雀は床に仰向けに倒れた。
床が雲雀の血によって赤く染まっていく。

「さようなら、雲雀恭弥」

刃物が大きく振りかぶって雲雀へとめがけて下ろされた。

あぁ僕は死ぬのか。
最後に山本に愛してるくらい言えばよかったかな…。

そんな事を雲雀が思ってた時

「くぅっ」

「やま…も…と…!!」

雲雀の上にかぶさってきた山本うまく肩で刃物を受け止めている。

「ははっ、助っ人とーじょってな。」

「…なんで…」

嬉しいけど、何で君がいるの。
どうして僕をかばってるの。

「まーまー俺はヒバリレーダーがついてっからいつでもヒバリの事はわかるのな。」

笑いながら言う彼に僕は少し安堵した。
でもそれじゃ僕の質問の答えになってないよ。

「さぁ、俺のもんに手出した奴を懲らしめっかな。」

そういうと山本は刀を構える。
殺気はいつも以上に濃く、殺気だけで人を殺せそうな勢いだった。

「よく、そんな恥ずかしいセリフ言えるね。」

雲雀も立ち上がり再びトンファーを構え直す。

「おい、ヒバr」

「足手まといにならないでよね。」

少し微笑んで山本に笑いかけると

「…了解」

山本も笑って…僕達は2人で目の前の敵に立ち向かった。

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