7話 皆既日食







今日は皆既日食。






カ――……ン




甲高い金属音を聞きながら僕は書類整理している。




『わぁーっ』『きゃーっ』
人が群れてる(騒いでる)確か今日は並盛がどっかの学校と練習試合だっけ?


「寝よ。」


クーラーの効いた部屋外の耳障りな音を消す為に眠る体制に入った。





バッタン!!

「ヒバリっ!!!」


突然応接室の扉が開き山本の声が聞こえる。


「なんで、君が…試合は?!」

「ん、終わったけど.....」

頬を掻きながら言う山本。

「え。」

「さっきのホームラン、勝利点だったんだけど…。」

「そうだったんだ。」

「って、ヒバリっ、さっきの試合見てくれなかったのか?!」

「うん、書類整理してた。」

「…まぁ、いいのな。
それよりヒバリ、外、外!」

「ちょ、何。僕寝るとk」

山本にグイグイ背中を押され雲雀は窓の前と連れられる。

ガラガラガラ

「ちょっと!!今クーラーがt」

「ヒバリ、あそこ。」

山本は雲雀の肩に顎を乗せ太陽を指をさす。

「ん?」

山本の指につられ雲雀も太陽を見る。

「あ。欠けてる。」

「今日、皆既日食らしーぜ。」

「だけど、それが何。」


確かに見られる訳のものでもないから珍しいと言えば珍しいが、別に
僕はそんなものに興味はない。

「い、や、あー。
試合中にチラッと見えて…」

「?」

「ヒバリに早く教えてやんねーとって思ってさ。」

「それだけ?」

「ははっ。」

苦笑いする山本と呆れる僕。

「でも、自分の見た珍しい光景って好きな人に見せたくならね?」

「…そういうもんなの?」

「俺はそうなのな。」

「ふーん。」

「ダメだったかな?」

また頬を掻きながら言う山本。

「別に、君がそうしたいならいいんじゃない?
.....珍しい光景見るのは嫌いじゃない。」

腕を組んで山本から目線を逸らしまた太陽を眺めながら僕は言った。
こういうとこ素直じゃないと思う。

「!!!
ヒバリっ!!!」

けど、なんか山本には伝わってるから気にしない事にした。

「何。」

「好きだぜ!」

そう言って雲雀を抱きしめる山本。

「あ、そう。」

「ヒバリ〜。」

ぎゅうううう
更に強く抱きしめられる。

「暑い、離れろ」

「ヒバリ〜」

「はぁ。」


半ば諦めた僕はとりあえず少しでも暑いのをどうにかしようと開いてた窓から閉めるのだった−







皆既日食のおかげで山本の事がまたわかったから今日はくだらなくても許してあげる。
そう思った雲雀なのでした。



「ヒーバーリー。」



書類整理しようとしていた雲雀に未だしつこく抱きしめてる山本。
前言撤回。
やっぱり咬み殺す!!







直後山本の悲鳴が聞こえるのだった.....











<続>

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