恭弥の真意がわからない体育祭も後片付けの時にはいつも通りでただの気まぐれだったのではないかと

思うんだが…

当の本人は露知らず今日はなぜか二人で買い物に来ている。

少し時を戻そう。




「行くよ。」

「おぅ。」

本日は土曜日
しかし並盛の風紀委員会に休みはない。
いや、休みもあるのだが此度は緊急事態なのだ。

「昨日までで何人だっけ。」

「10人。」

「結構な数になったな…。」
「全く弱い草食動物だけ相手にするくらいなら早く僕のところに来ればいいのに。」

「そりゃちげぇねぇな。」


体育祭が終わった直後から並中生が襲われる事件があったのだ。
今日までで10人。
最初に被害者は全本歯が抜かれていて、そこから被害者が増えるごとに歯の本数が減っている。

まるで何かをカウントしているみたいに。


「やぁねぇ最近の子は血の気が多くて…」

「あ、恭弥!」

「わん!」

あー…もうここにも血の気の多い…まぁ恭弥なら大丈夫か。

「で、君は俺に何の用かな…?わわわそんなに引っ張らないでくれよ、よだれが…!あー…」

「わんわんわん!」
「わかったわかった!案内してくれ。」

「わん!」


犬と一緒に行くこと15分。
「公園に何が…って」

人?!倒れてる?!??!?!

「おい、大丈夫か?」

へ、返事がない…!息はして、るな。熱中症か?
水と冷やしタオル…!救急車もだな?!?!?!
こんな華奢で色白な人だ。髪型は変だけど異常気象で今日は暑い。
気付かずなんてあるだろう…。

「ん…」
「!大丈夫か?!」

良かった、眠ってただけかもしれない…。
でもすげえな目を開けたら赤と青のオッドアイ。
宝石のような綺麗で飲み込まれそうな深い色だ。

「おや…君は…。」

「?」

「いえ、失礼。彼に連れて来られてしまったのですね…。」
「彼?あ、いや、何もなくてよかったよ。この辺の人か?良ければ送るよ。」
「いえいえ、お気遣いなく…。今日は暑いようで…よいしょっと。」
「異常気象らしいからな、肩貸すよ。そこのベンチに移動しよう木蔭だし」
「ありがとうございます。そこの犬、よくここの公園にいるんですよ、ふぅ…。よく相手をするせいか懐かれてしまったようで…。」
「なるほど…気にすんなよ。倒れてたのは間違いないみたいだし…。」
「クフフ、そうですね…。」

ピルルルルルルルルルルルル

「うげ、恭弥からだ。」
「僕に気にせず、どうぞ。」
「ありがとう。
もしもし、終わったのか? うん、そう。今人助けで…。 わるい、ここの公園の名前わかるか?」
「さぁ、僕もこの辺に来たのが最近なので…。」
「そっか、ありがとう。 もしもし恭弥?え、いやいいよ。15分位だしすぐ戻るよ。あぁ。うん。じゃあ。」



「ご友人からですか。」
「ん〜…友人というより上司かなぁ…ごめん、そろそろ行くな。」
「すみません、引き留めてしまって。そういえば自己紹介がまだでしたね、僕は六道骸。」
「珍しい名前だな、俺は佐野涼。」
「涼、Ci vediamo」
チュ

「すみません、最近イタリアから来た者で…つい。」
「お、おう。」
「今度こそそれでは。」
「あ、あぁ。」

イタリア…なんだ最近留学生でも多いのか…?
それとも…"十代目"が関係しているのか…
どちらにせよ…あまり、関わりたくない、なぁ。


キケンな香り
(で、何してたの。)(え?倒れてたやつ助けてただけだけど…。)(そう。)(あ、見回り終わりなら俺これから買い物行くからじゃあな。)(見回りしながら買えばいいだろ)(え゛)

2020.04.21
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