ん、眩しい…。ふぁー…。あー、時計…６時か。今日も寒いな。布団から出るのが億劫だ。おお、味噌汁のいいにおいがするぞ。はは、これにはかなわんな。にしても妊婦さんなのに相変わらず三成は早起きだなぁ。ワシには真似できん。

おはよう三な、おわっ！え、朝からうるさいって…ワシだってつまずくことくらいあるさ。って何でゴミ袋？ああ、今日はゴミの日か。知らなかったのかってそういう訳ではないぞ。いつも三成が知らないうちにやってくれているから忘れていただけだ。いやいや、別に三成のせいにしている訳じゃなくてな。今日はワシが行くよ。黙れ、私がやるって…三成、お前は身体を大切にせねばな。いいさ、会社に行くついでに捨てていくだけだから。それは私の仕事？いや、でもな、転んだりしたらどうするんだ。雪もまだ残ってるし。おい三成？何処へ行くんだ！？え、ゴミ捨てって…三成頑固すぎるぞ！ワシが行くから……って早い！早いぞ三成！ってか火も切ってないじゃないか！危なっかしいな。おーい、三な、だから早いって！もう階段降りきってる！ああもう、せめてベランダから見えないか？……おお、いたいた。何であんなに細くて身重なのに、大きい袋二つも持ってふらつきもしないんだ…。流石、で片付けていいのかこれは。ああ、そこ、段差があるから気をつけて…ってつまずいた！やっぱりつまずいた……けど持ちこたえた！？すごいな三成！あれは転ぶモーションだったぞ！ワシの奥さんどんな三半規管してるんだ。お、振り返った。こっちに気付いてたのか。あー、見上げる三成もやっぱりかわ……。え、何今の…。ものすっごいいい顔で、どやっ、ってしてきた…。え、あれはさっきのファインプレーに対して…なのか？確かに凄かった。だが何か違うと思うぞ、三成。そんな誇らしげな顔…小学生か…。ああ、もう気を付けろ…。うん、もうこっち見なくていいから前見て歩け。心臓に悪いから、こっちの。あ、ちゃんと端に詰めて捨てた。几帳面だな。おお…なんかすごく満足気だな。そんな表情滅多に見ないぞ。……うん。そんな踏みしめるように段差を越えなくても…。いや、かわいいけどな。幼くて。
…なんか疲れたぞ。絶対ワシが行ったほうがよかった。よし、今度からは何としてもワシが行くことにしよう。

お、お帰り。そうだな、転ばなかったな。朝食の仕上げが終わってないって、それワシのせいなのか？ん、わかった。先にご飯と味噌汁だけ持ってけばいいんだな。お茶も運んでおくぞ。あ、弁当はもうできてるのか。いつもありがとうな。お、朝食も出来たか。おお、やっぱり三成の玉子焼きはきれいだな。世辞などいらんって世辞じゃないんだが。はいはい、黙って席につけばいいんだろ？
では、手を合わせて

『いただきます。』