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皆が高校生シリーズ
* * *
海賊高校
保健医トラファルガー・ロー
う、動けない。
何ということだ。
まさか体育の時間に魔女の一撃(ぎっくり腰)を食らうとは。
男女混合チームでバスケの試合をしていたところ、採点係をやっていた私はコートから転がってきたボールを拾おうと腰を屈めた。
その瞬間、腰に電撃が走った。
「ふぐぎっ!!」
その声はやたらと体育館に響いて、試合が一時ストップする。
前屈の体勢のまま身動き取れないでいると、事情を察したらしいルフィがつんつんと腰を押してきた。
「にしししし。ぎっくり腰だろ?」
「押すんじゃない…!」
「たかだかボール取ろうとしたくらいでぎっくり腰なんて、運動不足なんじゃねえの」とゾロがぼそりと言う。
しかし今はそんな小言は気にしていられない。電流はまだ衰え知らずで腰に大打撃を食らわせ続けている。
「くっそ…誰か保健室に連れてってくれ、頼むぅ!」
「じゃあ抱えていくか」
よっこいせ、とゾロとルフィが抱き上げてくれようとしたのだけれど、数ミリ動かすだけで猛烈な痛みが走る。
「いでででででっ! ストップ! タイム!」
「こりゃ動かせねえなあ。保健医、呼んでくるしかねえか」
「呼んで来たぞー」
手をこまねくルフィとゾロをよそに、気の利くサンジがロー先生を呼んできてくれた。
気だるそうに白衣を揺らしながら歩いてくる先生を、前屈のせいで上下逆さまの上下で見つめる。
「いまサーカスの授業か?」
わざとらしく体育館を見回して、にやにやしながら先生が問う。
「ふざけた冗談言ってないで助けて下さいよ…!」
「楽しそうなことやってんなあ」
「ちょ…先生…!」
「体柔らかいんだな」
「せんせいっ!」
懇願するように言うと、先生はくつくつと喉を鳴らして笑った。
「わかった、わかった。痛み止め打ってやるから。あ、保健室に忘れた。取ってくるから待ってろ。30分くらい」
「長ぇよ!!」
先生と仲良し
(仲が良いのも、こうやってイジられるので考えものです)
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