(9/11)
皆が高校生シリーズ
* * *
破面高校一年I組
体育委員 グリムジョー
「おいテメエら…騎馬戦で負けたらぶっ殺すからな!」
「ひいいっ!!」
「うちのクラスって怖いひと多すぎじゃない?」
本日は体育祭なり。
太陽燦々の快晴で、実に青春日和である。
そんな中、学年対抗別リレーの次に目玉種目である男子の騎馬戦が始まろうとしていた。
なぜか暗黙のルールで上半身裸になった麗しい男子達が騎馬を作っている前で、鍛え抜かれた腹筋を晒しながら、グリムジョーが鼓舞だか脅迫だかわからない言葉を投げ掛けている。
もちろんI組の男子は震え上がっていて、顔面蒼白だ。
いや、敵であるはずの他のクラスもだな。怪我人続出のフラグが立っていて、救護用のテントまでもが緊迫している。
風紀委員のノイトラに続き、人格の本領を発揮しているグリムジョーからの威圧を見るに、男子勢に同情してしまう。
ふと、見上げるほど大きな騎馬が出来上がった。
「え、ノイトラが上なの? 身長2メートル越えてるのに? 馬じゃなくて上?」
「ああ。戦闘力で決まった。あと腕の長さ(射程距離)で」
「あー…否めない。否めないわー」
言いつつ馬役の男子はぷるぷる震えている。ノイトラの重さからか、指示通りに動けなかった場合の報復を恐れてか。
また大きな騎馬が出来上がる。
「んん!? グリムジョーも上!? しかも、そのハチマキって大将が付ける奴じゃん!」
「ったりめーだろ。俺の前に立つ騎馬は全部ぶっ壊す」
ぼきぼきと拳を鳴らしまくるグリムジョーの笑顔は、本気の顔だった。
ああ、怖い。怖いよ。見てるこっちまで怖くなって来た。
この二騎だけ妙に本気だよ。
「手始めに、そこの黒髪眼帯野郎からだな」
「おお、やってやろうじゃねえか。望むところだ、一騎打ち」
「おいおい味方同士だぞ、あんたら」
引き分け
(ガチの殴り合いになって馬役の子が泣き始めたのでストップ掛けました)
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