(8/11)
皆が高校生シリーズ
* * *
破面高校一年I組。
風紀委員 ノイトラ。
「学ランは上までボタン留めろっつってんだろ雑魚が。殺すぞ」
「す、すみませっ!!」
「次。もたもたしてんじゃねえよ早く来い。身なりはいいな。生徒手帳出せ」
「あ、あああわわわわ忘れ――」
「取りに戻れ。遅刻はすんじゃねえぞ。吐くぐらい走りゃ間に合う。行け」
「うわあああんっ!」
「次」
教室の入口にて、このクラスの風紀委員であるノイトラが抜き打ちチェックをしている。
服装、髪型、持ち物が校則に違反してないかを見ているのだけど、それがもう他のクラスとは比べ物にならないほど厳しいし怖い。
メモ板を片手にあの高身長で見下ろされるだけでなく、ガチで殴られるので気が気じゃないのだ。
チキンでビビりな私は校則に違反するようなことはしないので全てクリアした訳だけど、危惧するのはグリムジョーとノイトラの攻防ですよ。
よりによって私は一番入口に近い席だから、二人の仲裁役からは逃れられない。
今日もまたグリムジョーとノイトラが睨み合っている。
「頭は黒に染めて来いっつっただろうがよ。水色って何だよ、中二病かよ。マジ草」
「テメエこそ眼帯取れよ」
「眼帯に規制はねえんだよ。生徒手帳読め馬鹿が」
「はい、やめやめ! まったく二人は何だって喧嘩すんのかね!」
「この野郎だって髪の毛めちゃくちゃ長いだろ、って、あ?」
「髪なんざ切ったっつうんだよ。お前みたいに執着してねえんだよバーカ!!」
「そうそう! ノイトラは風紀委員になってすぐに私に切ってって頼みに来たし、グリムジョーも髪の毛染めちゃおうよ! 黒髪! 多分、似合うよ? 先生に言われ続けるのも面倒くさいじゃん!」
「ちょっと待て。髪、切ってやったのお前か?」
「え、そうだけど」
「染めろ。今すぐ俺の髪を染めろ」
「はい? いやいや今は染めるやつないし、第一どこで洗うのさ!」
「プール」
「じーざす!」
「校則違反で減点な。せいぜい先公共に怒られろ」
「ちょっと待て」
その日の放課後、グリムジョーの家でノイトラの監視下でちゃんと黒染めしてあげました。
さすがに先生は怖い
(担任、藍染先生。副担任、市丸先生)
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