(7/11)
皆が高校生シリーズ
* * *
麦藁高校一年D組
学級委員 私
あああああ。
ジャンケンに負けて学級委員にさせられるとは誰が予想出来ただろうか。
くっそ、何しろってんだ。そもそも目立つのは嫌いなのに!
「えーと。それじゃあですね、なんか先生からクラス目標を決めろって言われてるんで決めたいと思うんですけど、皆なにか提案ないですかね」
がやがやがやがや。
教壇に立つ私になんぞ誰も見向きもしていない。
ルフィは早弁して寝ているし、サンジは隣のクラスだし、ナミ達はまたその隣のクラスだし。
ああああ、何かもうこれ私が一存で決めて反対意見の有無を聞いた方が早いんじゃないかこれ。
「えと、意見がないようなら私が決めちゃいますけどいいですかね」
がやがやがやがや。
まあ新しい学校、新しいクラスになれば落ち着かないのも無理はないと言いますかね。
黒板を向いてチョークを持った。
えーと。
何か、いいのないかなあ。
クラス目標。普通、熟語とかか?
四文字熟語?
そんな難しいのわからんし。
何でジャンケンでグーを出した私。
えーと、えーと。
すると急に暗くなった。
振り返れば居眠りこいていたはずのゾロが真後ろに立っていて、私の手からチョークを奪い取る。
がんがんがんがん、音が鳴るほど力強く文字を書いたかと思うと。
ばんっ!
と黒板を叩いた。
「これでいいな?」
静まり返ったクラスメイト達がこくこくと頷いている。
それを見届けたゾロはまた自分の席に戻って目を閉じた。
一致団結
ゾロらしいと思いながら、感謝した。
ちょっと待て
(そういえば、あんたも学級委員だよ)
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