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ウソップの告げ口を聞いて吹っ飛んできたコックの誤解を何とか解いて、今に至る。

普段なら騒がしいはずの食卓も、皆のにたり顔が俺に集中してそれどころじゃない。

何なんだその顔は。

食事はコックが配慮して、すべて一口大に切ってくれていたから難なく終わった。

食い終わって、さあ戻ろうと立ち上がると抵抗があった。

アラシがまだ食べていた。

まだ半分も食べ終わってない。



「お前の食べる速さはうさぎか」



「これでも急いどるわ!」



もぐもぐと頬いっぱいにつめて咀嚼をするアラシに、諦めてもう一度席についた。



「いや、いい。ゆっくり食え」



こいつと俺とじゃ、体の作りが違うんだろうと思う。
食事ひとつにしてもそうだ。

俺の一口がこいつにとっては十くらいあるのかもしれない。

頬杖をついてそんなことを考えていると、皆の視線に気付いた。



「やっさしー」



「普通だろうが!」



フランキーのからかいにもアラシはどこ吹く風。

こいつなりに気を使ってるのか、もくもくと飯を食ってるだけだ。



「飯食ったあと何してんだ」



ハムスターになってるアラシに聞くと、アラシは頬袋の中身を溢れさせまいと、おちょぼ口で答えた。



「サンジから紅茶貰ってゆっくりする」



「ならそれでいい」



「むむ」



どうやら、うん、と言ったようだった。
食事のペースが格段に落ちる。

こいつのハムスターも、悪くない。

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