あなたを想うだけで傷だらけです | ナノ パロディノベル



  藤の花 03




「なぁ、カガリ。頼まれてくれないか?」
「えっ、けど・・」

昼休みも終わって、ベルが鳴る前にと、皆席を立つ。
私達も例外ではなく「そろそろいく?」というルナマリアの声に皆頷いて立ち上がった。
シンに無理やり買わされたカレーライスの皿をベルトコンベアーの上に乗せればするするとそれは姿を消して行った。
食堂を出るとそれぞれ次の講義の教室に向かう。

「次、カガリもギルバート先生の遺伝子学だよな?」
「あっ、うん」

カガリににっこりと微笑みかけてくるのはアスランで、カガリの頬は自然に紅潮した。

「一緒にいこう」
「うん」

そして講義の始まった教室でアスランはカガリに相談した。

「ミーアの誕生日?」
「ああ」
「・・・・・・・早くないか?」
「そうか?」
「いまはまだ4月だ」
「そうだな」
「そして、ミーアの誕生日は7月だ」
「そうだな」
にっこりと笑うアスランにカガリはため息を吐いた。
「・・・・今から準備とかどんな大掛かりなことするんだよ?
サークルで何かするのか?」
「そうだな・・それもいいかも」
「・・・・部室でパーティーぐらいならできるけど、
それよりミーアはアスランとふたりで過ごせた方が嬉しいんじゃないかな」
「・・そうかな///」
「そりゃそうだろう」

アスランの友達として、アドバイスをする。
アスランに愛されているミーアが本当に羨ましい。

「じゃあ、・・・けどさ」
「ん?」
「なんかこの日空けといてとか聞いたら、なんかいかにもって感じがしないか?」
「・・・いかにものどこが悪いんよ、彼氏だろう?」
「彼氏か・・、彼氏なんだな・・///」
「恥ずかしい奴だな」
「けど、なんか変に気合いれて挑んで、気持ち悪いとか言われたらどうしよう」
「・・・・ミーアはそんなこと言わないだろう?
・・てか、そう思うなら4月に相談するな」
「いや、だってどうせなら」
「あっー、はいはい」
「プレゼントとかは女の子って何あげたら喜ぶかな?」
「・・・・・アクセサリーでいいんじゃないか?
ネックレスとか・・・確かミーアピアスしてたからピアスでもいいし・・、
指輪とかでも」
「・・・指輪か・・」
「・・・あっ・・」
「?」
「あっ、ううん。いっそのことうんと高いの買ってやれば?
バイトとかしてさ」
「・・・・・バイトかちなみに、指輪の相場っていくらぐらい?」

指輪の値段なんてピンからキリまである。
うーんとカガリは悩んだ後ピンとひらめいた後アスランに耳打ちをした。
アスランの目は見開かれた。

「・・・・・そんなにするのか?」
「うん。するぞ♪
けど、大好きなミーアのためなんだろう?
ちゃんと買ってあげるよな」

私に相談した罰だ。
これぐらいの仕返しならいいよな。

「・・分かった。バイト探す」
「・・・・ミーアのこと好きなんだな」

カガリの口からポロリと零れた言葉。
アクセサリーと幾つか例を出すとアスランが拾った言葉は指輪。
どんなに高くてもバイトしてそれをプレゼントしてあげようと思うアスラン。
アスランはにっこりと顔を綻ばせて言った。

「去年はまだ付き合ってなかったから今年はちゃんと祝ってあげたいんだ」

ズキンと痛む胸。
カガリはそんな胸の痛みを隠してにっこりと微笑むのだった。

「じゃあ、ミーアを絶対喜ばせろよ」

と。

「それでさ、相談なんだけどもしよかったら買い物に付き合ってもらえないかな?」
「・・えっ?」
「なぁ、カガリ。頼まれてくれないか?」
「えっ、けど・・」
「俺、女の子の好きそうなものとかよくわからないし。
カガリとミーアって仲いいから、頼めないかな?」

そんなのミーアはきっとアスランが選んでくれるから嬉しいのであって、
私がミーアの趣味のものを選んだってきっとミーアは・・。
それに、自分の彼氏が他の女の子と買い物に行っているって言うのもどうなんだろう・・。
私はそんなの嫌だ。行って欲しくないと思う。
けど、
私は・・・・・・・・。

「いいよ」

だって、アスランが好きなんだから。


prev next

[back]



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -