あなたを想うだけで傷だらけです | ナノ パロディノベル



  藤の花 02




学校の食堂といっても、種類も豊富だし値段も安く毎回迷ってしまう。

「何にしようかな・・」

うーんとカガリは並べられたおかずを見ながら頭を悩ませている。
メイリンとレイは苦笑いして先に会計にいってしまった。
優柔不断なところをどうしたもんか。

「悩みすぎ」
「ぎゃっ!」

頭に急に痛みを覚えて後ろを振り返ると、同じサークルのシンが立っていた。
シンの右手の形は綺麗に揃えられ胸らへんにおかれていた、
つまり私は後輩にチョップをされたらしい。
カガリは恨めしそうにシンを見上げる。

「シン、お前な・・」
「カガリ先輩こそ、後ろ気にしてください。
詰まってます」

カガリがシンを睨んでも全く効果がないらしく、淡々とシンは喋る。

「あっ、ごめん!」
「・・俺おかずいいや、カレーライスだけ食べよう」
「なっ、お前カレーだけとか!せっかく学食のおかずもおいしいって評判なのに!」
「・・悪かったですね、野菜苦手なんですよ。
早く決めないと置いていきますよ」
「あっ、待って!」

メイリンとレイだけでなくシンにまで置いていかれたくない。
カガリは急いで選ぼうとするが、それでも迷って決められない。
シンはため息をひとつ吐いて、
カガリの腕を強引に引っ張った。

「おばちゃん、こいつにもカレーライスひとつ」
「え?」

とカガリがシンを見上げたときには、おばちゃんが「はいよ」と笑ってトレーの上にカレーライスの皿が乗っていた。

「ほら、いくぞ」

また、シンに腕を引っ張られカガリはぽかんとしたまま会計を済ました。

「ほれ、水」

シンがスプーンとさらにぱぱっとコップに水をいれて自分とカガリのトレーにそれぞれのせた。

「あっ、ありがとう。って、お前勝手にカレーライス頼んだだろう!」
「そうでもしないと、決まらなかったでしょ?
毎回、カガリ先輩こんなに悩んでたんですか」
「うっ、うるさいな」
「ははっ」
「む〜、・・あっ、そういえばお前が学食って珍しいな、
いつも弁当だろう?」
「ああ、妹が今旅行でいないから、作ってもらえないんだよ」
「シスコン・・?」
「うっ、うるさい///
お前のお兄さんよりはマシだ」
「キラのことか?そうかな?」
「あれをシスコンと言わずなんと言う」

呆れたようにシンが言う。

「それにしても、先輩は懲りないね。
アスラン先輩とふたりきりの時間は楽しめましたか?」
「なっ、お前っ、・・・気づい・・て///」
「・・・そりゃ、気づくでしょう。
まぁ、俺だけかもしれないですけど。
メイリンとレイはお互いのことしか見えてないみたいだし、
当のアスラン先輩も気づく素振りもないですし、
ミーア先輩だって気づいたとしたら、こんな風に一緒に食べるなんてことしないでしょ?」
「うぅ〜、なんで・・よりによってシンに」
「見てるからですよ」
「え?」
「なんでもないです」

シンがボソッと呟くがカガリは聞き取れなくて聞き返すがシンはそっぽを向いてすたすたと去って行った。

「そんなにわかりやすいのかな・・私・・」

・・*・・

シンのキャラ設定をかわいい後輩にするか悩んだ末こっちにしました。
・・・あれ、なんかシンがかっこいい(笑)。


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