あなたを想うだけで傷だらけです | ナノ パロディノベル



  ビターチョコ 05 昔


「・・ん」


空気が冷たくて、陽の光が眩しくて目が覚めた。


「?」


目を擦りまわりを見渡すと見たことのない景色がそこに広がった。


「ここどこ?」


見たことのない箪笥に鏡、テレビにパソコン、エアコンにCDプレーヤー。
・・それに私の下にあるベット。


「服しわくちゃ・・」


カガリは自分の着ていた服を引っ張った。


「・・起きたのか?」


扉がカチャリと開いて見慣れた顔が覗いた。


「アスラン・・・?」
ビターチョコ

05.昔



「昨日、飲みすぎなんだよ」


アスランは目の前の机に
美味しそうなトーストと目玉焼きとベーコンの乗った皿を置いた。


「・・覚えてない」
「・・止めなかった俺も悪いがカガリも悪い」


そう言われてカガリは首を捻った。

キラに勧められてビールを一口飲んだことは覚えているんだど。

まぁ、言われた通りな気がしたのでカガリは素直に頷いた。



「そうだな。すまなかった・・・・って、え?」
「?」

「・・私の名前」


アスランが私の名前をファーストネームで呼んだのにカガリは驚いた。


「ああそっか覚えてないのか・・・。
じゃあ。久しぶりカガリ。元気だった?」

「・・覚えてて・・」
「ああ。忘れたことなんかなかったよ」


アスランはにこりと微笑んだ。


「・・嬉しい」


カガリは嬉しくて笑った。
そのカガリの笑みを見てアスランは見惚れた。



「カガリは全然変わってないな。
あのときと同じように笑う」
「そうか?」
「そうだよ。
・・冷めるといけないからご飯食べよう。簡単なもので悪いけど」
「ううん。そんなことない!」
「ありがとう」


カガリは『いただきます』と言って箸を勧めた。


「なぁアスラン昨日何があったんだ?」
「・・秘密」
「なんだよそれ!!」


昨日のギクシャクが嘘のようにアスランとカガリは笑いあった。


「ただいま」


二人が仲良く話しているとドアが開き綺麗な女性が顔を出した。
カガリはその人の姿を見てすこし焦った。もしかしてアスランの彼女?



「また朝帰りですか」
「仕方ないでしょう仕事なんだから。
浮気してるみたいな言い方止めて頂戴よ。
・・・・・ところでアスラン」


女の人はアスランの席の向かい側に座っているカガリを見た。

そしてばっちり目が合ったカガリは大慌てで席を立った。


「カガリ!?」
「アスラン、なんかいろいろありがとうな。もう帰るな」
「・・・・ああ」


カガリは目の前の女性にお辞儀をして家を出て行った。
カガリが去った部屋にアスランと女の人との二人きりになった。


「カガリどうしたんだろう?」
「あなたいくら人気が出てチヤホヤされても
女の子を家に連れ込むような子じゃないと思ってたのに」
「はぁ?」
「母さんは悲しいわ」


そう言ってアスランの母、レノアはシクシクと嘘泣きをした。


「・・・別にそんなんじゃないですよ。
ただカガリが酔っ払って家が分からないからつれてきただけで」
「まぁそうだろうとは思ったけど。

・・・誤解されちゃったのかな?」

「誤解?」
「なんでもないわ。

それよりもしかしてカガリちゃんって前の事務所で一緒だった子?」


レノアはコロリと表情を変えた。


「そうですよ」
「あらそう。アスラン頑張りなさいよ。
アスラン、カガリちゃんのこと好きなんでしょう?
昔カガリちゃんとのキスシーンの撮影の前の日鼻血出して倒れたものね」
「かかか、母さん!!!!!///////」
「あら可愛い」


レノアはにっこりと笑った。


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