あなたを想うだけで傷だらけです | ナノ パロディノベル



  ビターチョコ 02 結果


「それでは最終試験合格者を発表します」


隣のフレイは目を閉じて手を合わせ祈っている。


「092番のフレイ・アルスターさんと
105番のカガリ・ヒビキさんです」
「やったーーー!!!」


フレイはその台詞を聞きながらカガリに抱きついた。
一方カガリは混乱していた。
フレイはいいけど私も?だってえ?私も受かった?


「えええええええええええ!!!!」


カガリは叫んだ。


ビターチョコ

02.結果



「ほら、カガリ行くよ。
ついにキラ君との対面さんだから」


フレイはそう言ってカガリに近づいた。

「はい」フレイは自動販売機で買ってきたミルクティーを差し出した。


「ありがとう」


カガリはそれを大人しく受け取った。


「いいじゃん。ラッキーぐらいに思ってたら」
「・・なんで私なんだよ」


他にも凄い可愛い子いたよな。
カガリはそう思いながら缶の蓋を開けた。


「何言ってんの?カガリは可愛いって」
「・・・・・。
それでも私フレイの付き添いに出ただけなのに」
「まぁまぁこれも運命。早く行くよ」


フレイはカガリの腕を引っ張り会議室のある部屋に歩いていった。
何でもキラ・ヤマトとはそこで会うらしい。

カガリはフレイに引っ張られながらあるポスターが目についた。


「え?」


フレイはカガリのその様子に足を止めた。


「ああ。アスラン・ザラも似た企画してるのね」


そのポスターには『アスラン・ザラと一緒にドラマにでませんか?』と書かれていた。


「・・・・・・」


どうせならこっちに受けたかったなとカガリはその場でそう考えた。


「キラ・ヤマトです」


目の前に現われたアイドルはテレビで見るなんかよりずっと綺麗だった。
すごいこれが芸能人。


「フレイ・アルスターです!!」
「カガリ・ヒビキです。よろしくお願いします」


カガリはそう言い、腹を括った。
いつまでイジイジしててもしょうがない。
受かったからには落ちた人の分まで頑張ろうと。
まぁ本音はちょっと自分がミーハーなのかも知れないんだけど。


「こちらこそ。僕もドラマは初めてなんだ、よろしくね」
「「はい」」


二人は大きく頷いた。

説明を聞き書類やらなんやらを渡されて、

会社を出た後にカガリとフレイは帰りに喫茶店でお茶をしていた。



「お疲れ」


その二人の後ろからヒョイと誰かが顔をのぞかせた。


「「キラさん?」」
「さっきぶりだね。ここ結構利用するんだ。
友達と待ち合わせ中」
「そうなんですか」
「じゃあね」


キラは手を振り店員さんに案内され奥に入っていった。
店員に案内された席で待ち合わせの人に声をかけた。


「あっアスラン待った?」


アスランは手にしていた文庫本をしまった。


「・・いや別に」
「だったらよかった。今日企画の最終選考に受かった子に会ってきたよ。
二人共凄く可愛い子だったよ。アスランのところは?」
「決まったらしいけど、まだ行ってない」
「アスランらしい」


キラは小さく微笑んだ。

それがアスランの持ち味とも言える。

アスランは売れてモテ始めても女の子への態度は一切変わらなかった。

僕なんか結構デレデレしちゃうんだけどな。

さっきのフレイちゃんって結構好みだし。



「まぁそれはともかく・・・・きっとそのうち会うと思うよ。
フレイちゃんとカガリちゃんに」
「・・・・・・・・・・カガリ?」


アスランは小さくその名を呟いた。かつての友達カガリの名を。


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