あなたを想うだけで傷だらけです | ナノ パロディノベル



  ビターチョコ 01 きっかけ


私は叔父が経営している芸能プロダクションで子役俳優として育った。


『カガリ・ヒビキ』


当時は結構有名な子役俳優だった。
叔父の経営しているプロダクションの経営が厳しくなって私は芸能から退いた。


ビターチョコ

01.きっかけ



『君が好きなんだ、君がたとえ後数年の命だとしても!!』


カガリはテレビから流れるドラマの人物を見ていた。
やっぱり、すごい演技上手くなったよな・・。
テレビから流れる告白しているのは。
今、若手実力派俳優『アスラン・ザラ』だ。
実は彼とは昔子役仲間として一緒に舞台に立った大切な友達なんだ。
当時は凄く仲がよかった。
一緒に舞台やドラマのレッスンを受けたり台本の読み合わせを一緒にしたり。
私は芸能界を抜けたけど、アスランはプロダクションを移籍して芸能活動を続けてきた。
その結果、今はもうアスランのことを知らない人なんていないだろうっていうぐらい有名になった。
有名になった友達を凄く自慢に思う。凄い努力したんだろうなって尊敬する。
けど私のことなんてもう覚えてないんだろうなって思うと少し寂しくなる。
私の初恋はアスランだから。
もちろんアスランには言ってない。
けど、私の初キスはアスランだった。
なんのドラマだったか分からないけど一回だけあったんだ。
今でも思い出すとドキドキする。けど忘れないといけないとも思う。
私の中に密かに隠して置こうってそう思っている。


「ちょっとカガリ大変!!」
「何?フレイ?」


昼休みの時間、幼馴染で高校生になった今も仲がいいフレイは高い声を出しカガリに抱きついてきた。


「受かったの!雑誌の応募『キラ・ヤマトと一緒にドラマに出演しませんか?』が!」


凄いネーミングセンスのキャンペーンだ。
キラ・ヤマトとは爽やか笑顔で売り出し中のアイドル俳優だ。


「まぁフレイなら受かるだろう?美人だし」
「そう?」


フレイはまんざらでもなさそうに嬉しそうに言った。


「でさ、あんたも一緒に応募したでしょ?」
「はぁ?」


そんなことカガリは初耳だった。
そんな企画に応募した覚えはない。


「何言ってるの?私が履歴書の書き方分からないって言ったら書いてくれたじゃない」
「・・・・・・・え」
「それ、応募したのよ」
「えええええええええええええ!!!!!!!!!!!!」
「カガリうるさい」


フレイは嫌そうに耳を塞いだ。


「嘘!いつ!なんで!」
「ちょっとついでにって思って!」


・・そんな軽いのりでそんな企画に応募しないで欲しい。
カガリはため息をついた。



「・・・まぁ応募しても落ちただろう?」


カガリは内心呆れながらフレイに言った。


「いや、それが受かってみたいなのよね」
「・・マジで?」


カガリは信じられないといったように目を大きく開けた。


「マジ。で、一緒に二次試験受けにいかない?」
「嫌だ」


即答でカガリは答えた。



「まぁそう言わないで、ね。
せっかく書類選考受かったんだから。ほらカガリいてくれた方が心強いし」


フレイはカガリの前で手を合わせてお願いと言った。


「お前、私が昔子役やってたから言ってるのか?」
「ううん?
まぁそれもなくはないけどただ友達が一緒に来てくれてた方がリラックスできるもの」
「・・・わかったよ」


どうせ落ちるだろうし、フレイの頼みならしょうがない。
カガリは渋々フレイの頼みを引き受けた。


「カガリありがとう!!!」


フレイはガバリとカガリに抱きついた。


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