フライトの疲れもあるだろうとオレは一日ホテルでゆっくりしていた。黒曜に近いここで嗅ぎ付けられないかとびくびくとしたものだったが、早々見つかるものでもないらしく割とゆっくりと疲れを癒せた。
リボーンはといえば用事があるとかで夕方くらいにどこかへ行った。用事だと言っても行くのはきっと今どうなっているかなどの情報収集だろう、くらいの予測はオレにだってつく。
窓から通りすぎる人を見ながら更に実感する。ここは並盛なんだと。更に言えばどうも甘ちゃんらしく、見知った顔はいないかと頭のどこかで探している。平日昼間にいないことはわかっているのに。こんな外れに来ることもないだろうに。
そうやって食事をとったりしながら時間が流れていき、夜にはリボーンも帰ってきた。オレが一番欲しかった情報と供に。

「あれの予想があってたぞ」
「じゃあやっぱりあの匂いで…」
「精神的に作用して一部だが神経もどうやら一時的に麻痺させるらしい。副作用がどうとかは知らねぇけどな」
「副作用?」
「ずっとその匂いにやられてたんだ。何かしらあるかもしれんぞ」
「そっか…ありえなくはないよね」

寝支度をしながら淡々とリボーンは言う。いつもの如く彼のハンモックだ。その様子をベットから眺めながらオレは話を聞いていた。

「ついでに言えばな、まだ試作段階らしいぞ」
「あれで試作なの!?」
「だいぶ最終段階に近いそうだがな。その分わからないことが少々あるらしいぞ」

支度が終わり、ひょいとハンモックに彼は飛び乗った。なに一つ表情はかえず、またこちらを見てリボーンは続ける。

「副作用もそうだが、洗脳の切れるタイミングだな。一年はかからないだろうと俺は見てるが、一週間か、はたまた半年か。なんてのかわからねぇ」
「そうなんだ…でもちゃんと切れるんだよね?」
「多分な。今までの研究結果は効力は次第に切れてるみたいだぞ」

それを聞いて安心できた。ずっとオレに敵意を向けつづける彼らには、オレは多分また耐えられなくなる。

「とりあえずは元凶を断たつことが一番だよね」
「ああ」

早く、早くあの頃のように戻りたい。大切なオレの仲間達を取り戻す為に。



 



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