あれから。割と怒涛の日々を過ごした。
とりあえずは体力の回復。散歩から始めて軽く走れるようには回復した。多少なら全力疾走できるようになったが、息はすぐ切れる。食事もかなり食べれるようになり、そのおかげもあるだろう。
リボーンからは連絡はない。アリアさんいわく「連絡がないのは上手くやれてる証拠よ」だそうだ。多分その通りなんだろう。オレ自身、あいつがミスをするイメージが沸かない。

「そろそろ炎も出せるんじゃないのか?」

野猿とじゃれていた時にγに言われた。オレと野猿がやり合ってるのはγいわく"じゃれている"だそうだ。オレは真剣なんだけど。
どうだろうかと首を傾げた。ボンゴレリングは首に下げてある。手に取って眺めてもなんの変哲もない。

「やってみりゃいいじゃん」

そんなオレを覗き込み、あっけらかんと野猿は言った。なんとなく背中を押されたような気がして、こくりと頷きリングを首から外して指にかける。そのまま目を閉じて様々な想いと共にぐっと力を込めた。
ふわりと暖かいモノに包まれたような気がした。ゆっくりと目を開ければオレの、橙色した炎が指輪に灯っている。

「できたな!」
「持続出来そうか?」

野猿はボスと一緒だなんだかんだ騒いでいるが、さすが兄貴肌。γはオレを気遣かってくれて少々眉尻を下げている。

「少しなら。前みたいにあまり長い事はできそうにないな」

無理しても前程長くは続ける事はできないだろう。途中で体力に底がついて倒れるような気がする。それはいかに自分の体力が落ちているのかを知らされるようだった。

「そうか」
「じゃあ課題だな!」
「課題?」

素に戻る。やっぱり短時間なのに少し疲労感があった。

「持続させるっていう課題か」
「そう!」
「ああー、そうだね」
「結局は体力つけるってことの延長線上だがな」

確かに、なんて笑って少し休憩することにした。行動起こさないと次のステップなんて見つからないし、誰かに言ってもらわないと気づけないこともある。今更ながらオレは昔からそうだよなあ、と少し思った。


 



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