オレ達は部屋に戻る途中も戻ってからも、他愛のない話をしていた。怠ける前にオレのスペシャル特訓リストでもさせてやろうか、なんて言われた時には断固拒否した。体力の戻ってない今の時期に、リボーンの特訓なんて動けなくなること間違いない。

「そういやリボーン、どこに調べに行くの?」

共に座り、何気ないことが懐かしくなりつつ聞いてみた。
ここは日本じゃない。彼女がいたのは日本であって、こんな外国ではない。

「恐らくイタリアにいる。表でやってる会社の都合上奴らは日本にいるだけだ」
「うん。ん?」
「考えろよダメツナ。本拠地を」

本拠地。彼女のところのマフィアの本拠地。
ボンゴレはイタリアだけど、マフィアなんてのは世界各国たくさんいるわけで本拠地なんてのがわからない。ボンゴレも支部が色々とあるらしいし。
ただ彼女はアジア系な顔と言うより日本人的な顔をしていて、ボンゴレを知っているということくらいしかオレはわからない。

「日本、じゃないんだよね?」
「…マフィアの中でも別格だと言われているのはどこだ」
「ボンゴレ」
「奴らはお前を退かせて何をするつもりだ?」
「ボンゴレを牛耳る。ってことは、イタリア?」
「自分とこを解体するつもりがないならな」

理解が遅いのは昔からだが、もっと悪くなった気がする。きっと気のせいなんだけども。
ボンゴレを牛耳ってしまえば、意のままに裏社会の大半を動かすことができる。そこで自分達も近くにいた方が何かと都合が良い、と。そう考えるのは容易い。
だけどそうなることは先の事じゃないのか。

「先のことでもボンゴレの近くにいた方が何かと都合がいいんだろ」
「また、もう…」
「それに調べれば最近イタリアに本拠地を移したファミリーがあった。多分それだろうよ」
「違ってたらどうするんだよ」
「そんときゃまた調べ直しゃあいいだけの話だ」

まだ何か続けようとしても繰り返しになるだろう事は予測できる。証拠ににやりと笑ってるんだもん、この赤ん坊。

「オレのことをぐだぐだ言ってんじゃねぇ」
「そうでした。オレはオレの事をいの一番に考えます」
「わかりゃあいい」

心配してもしょうがないって思っていたのに。それでもしてしまうのはオレの性格なんだろうけれど。
鼻で笑われることすら懐かしく思えた。


 



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