「そういえばオレ、除籍されたとか言ってなかったっけ?」

はた、と思い当たる。確かアリアさんにそう聞いたような気がする。

「仮よ」
「お前はまだ完全に除籍されてねえ中途半端なとこにいんだぞ」
「中途半端…」

なんか言い方的には良い気はしないけどそうなんだろう。

「中途半端ならさ、オレは次期ドンでもないし、獄寺君達に処罰とか、そんなのよくない?」
「馬鹿かお前」

ため息つかれた。
処罰ってか謝ってくれたらそれで、オレは。確かにわだかまりは残るだろうけど、信じてくれて、時間が経過すればなんとかなりそうだし。

「仮ってことは戻れる可能性があるんだ。それにオメー、未来で継承したろ」
「別に戻らなくても。それに継承なんて…」

してない、と言いかけて迷った。雲雀さんに殺されかけて、ボンゴレ潰すと言って、歴代ボスに認められた。オレが十代目だと。

「してたわ」
「ほらみろ。まだ知らない奴が多いだけでな、オメーはもう候補とは言い難いんだ」
「でも候補って…」
「それはまだお披露目という継承式が済んでないからよ。歴代ボスからすれば継承は済んでるわ」
「なるほど」

納得させられてしまった。たとえこの世界でオレが継承式をせずとも、オレはリングの中では継承済みなんだ。ファミリーはおらずとも。

「ファミリーはいるぞ」
「お前また読心術… いやファミリーいないじゃん」
「いるわよ。だからこそ処罰になるのよ。例えばなにか理由があったとしても、ボスの守護者、つまり側近がボスに刃向かったのよ?」
「……だからボス自身が処罰する、と」
「わかってんじゃねえか」

嫌なことだけは当たってしまう。したくないんだけどな。そりゃなんでだよって気持ちは大きいけど、処罰なんてそんなの。

「ま、処罰はツナが決めるんだ。肉体的でも精神的でも、なんでもいい。なにせお前が下すんだからな」
「どのみち決めないといけないの」

後回しにできると思っていたのに。なんなら流れてしまえばいいと思っていたのに。
どうやらそうはいかないらしい。







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歴代ボスの中では
あれはもう継承式ですよね。

 



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