次の日学校に行っても彼女の言葉とは裏腹になにもなかった。昼休みまでは。
昼休みに彼女にもう一度呼び出され、一人で屋上に来てとそう言われた。いつも以上の甘ったるい匂いに嫌気はしたけど、オレは頷いて屋上に上がった。
「来てくれたのね」
そう言う彼女は先に来ていて昨日と同じ笑みを浮かべていたんだ。
「昨日あれから考えたんだけどね、即興で決めてなんて無茶苦茶よね」
「それは…」
「でも沢田君、あれから考えたでしょう?」
確かに考えた。オレでいいのかとか、オレより彼女の方がいいのかとか。でも答えは変わることはなかった。
「考えたよ。でも昨日と同じだ。君にこれは渡せない。ボンゴレの業も知らない君に」
はっきりと、自分でも何故かわからないくらいにしっかりとした言葉で言った。そうすればぴくりと顔が動いて小さく彼女はそう、と零す。
「確かにあたしはボンゴレの業なんて知らない。でも嫌がる貴方よりはあたしの方が適任じゃなくて?」
「そんな簡単なもんじゃない!」
嫌だった。確かに嫌だった。今でも少し思うけど、でもそれは過去の話。オレはそろそろ嫌だけじゃなくてちゃんと向き合おうって、そう思ってたんだ。
「……つまりあたしに譲る気はないと、そういうことよね」
オレは無言で頷いた。
そうすればどうだ。彼女はポケットからカッターを取り出した。
「あたしね、欲しいものは手に入れる主義なの」
にたりと笑う。それはすぐに歯を食いしばった表情へと変わり、自分の左の手の平を切り付けた。
「なにしてんの!」
驚愕。それしかない。なにしてんの。なんて見たらわかることだけど、そこ行動の意図がさっぱりわからない。
「ボンゴレも貴方の守護者も!全部あたしのものよ!」
切り付けた手の平をオレに向かって血飛沫が飛ぶように払う。カッターはオレの手の下あたりに投げて。呆気にとられてるオレは当然の如くシャツに血が点々とついた。
「キャァァァアアアアアアアア!」
ありえないような大絶叫が耳に響いた。
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設定と違うくね?
同盟じゃなくて奪おうとしてね?
なんて思うかもしれませんが
大丈夫です。
無理矢理でも辻褄合います。
合わせます。
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