食べ終わってもアリアさんはいてくれて、色んな話をしてくれた。この時代のγや太猿達のこと、もちろん幻騎士のことも。やっぱりこの時代の幻騎士は未来のようなことはないらしい。ユニは生まれて間もないらしいことも。現在はジッリョネロにはいなくて一般人として育てられ、頻繁にアリアさんがそこに行くらしい。

「今度会ってあげて。皆にはまだ内緒よ?」
「是非」

なんてことも言った。小さいユニとか見たいじゃないか。
そんな感じで和やかに時間は過ぎていった。オレに何があったか、とかは聞かないでいてくれるらしい。それが今のオレには有り難かった。
じゃあそろそろ私は行くわ。とアリアさんが言った時、ノック音がして聞き覚えのある声がアリアさんがを呼んだ。

「今行くわ。ああ、でも少し覗いてみて」

くすりと笑うアリアさんを余所にドアが開いた。

「おやまあ…」

聞き覚えどころか見たことがあった。少しだけ若いけど貫禄と言うか、雰囲気というか。それは変わらないようだ。

「起きたのか」
「意識が戻ったのよ」

にっこりと笑うアリアさんとは対照的に驚いた顔をγは隠さない。オレも多分驚いた顔をしているんだろうけども。

「γだ…」

ぽろりと口から零せはひくりと眉が動いた。あ、やば。オレ知らない事だった。

「私が話したのよ。頼りになるのよって」
「それで知ってんのか。よろしくな、坊主」
「こちらこそ」

ナイスですアリアさん。下手にオレが言えば絶対疑われるもん。良かった。
なにより良かったと思うのは白蘭との決戦直前のように、オレに対して刺々しさがないこと。元々最初は敵同士だったから当たり前なんだけど。

「じゃあ私は戻るわ。何かあったら適当に誰か捕まえて呼んでちょうだい?」
「あ、わかりました。ありがとうございます」

それじゃあね、とお盆を持ってγと一緒に出て行った。
わかっていたことだけど、自分が知ってる人物が、自分と会話もしたことある人物がオレを知らないのはすごい変な感じ。尤も、オレが知ってるγは十年後のγ。この時代のγは知らないんだけども。
アリアさんが行った後、特別やることのないオレはベットに横になることにした。










-----------
絶対違和感持ちますよね。
知ってるのに知らないとか。


 



「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -