あれから数時間、元々一人っ子の綱吉は一人で遊ぶことも苦手ではなく、絵を描いたり積み木で遊んだりともしていましたが今日はお兄ちゃんことリボーンがいます。なのでもちろんリボーンに相手をしてもらいました。

「絵描くの飽きたのか」
「ん」
「次はなんだ?」
「おうましゃん!」

おうましゃん、その言葉理解するまでリボーンは数秒時間が必要でした。馬だと理解した時には綱吉の大きなおめめはリボーンにキラキラと向けられていました。

「……俺が馬、か?」
「あいっ!」

嘘だろと言いたそうな顔をあからさまにリボーンはします。だけども綱吉には関係ありません。キラキラとした視線は一向にやみそうにありませんでした。

「わかったよ!してやるよ!」
「ひゃあ!」
「この俺様がしてやることを光栄に思えよ!」
「おもうっ」

そう返した綱吉がどこまでリボーンの言ったことを理解したのかはわかりません。恐らくは半分もしていません。リボーンもわかっていながら言わずにはいられなかったのでしょう。
それからリボーンの肉体を酷使させるような子どもの遊び(ぐるぐると綱吉を回したり、高い高いといった遊び)が続きました。細いながらも体力や筋力は普通よりも優れていると思っていたリボーンですが、普段しないことをさせられていては何故だか疲労の具合が大きく感じられました。慣れないことですし、子ども相手ですしね。

「ちょ、ちょい休憩…」
「ぶー」

一人掛けのソファに身をあずけ、リボーンは肩で息をしています。それほど疲れたのでしょうか。
まだ遊び足りない綱吉はシャツを掴んでもっととせがみます。せがんでも待ったの一声で片付けられてしまいますが。

「もぉっ!」

ぷうと頬を膨らましてせがんでも無駄だと諦めました。

「ちょっ、おま、ツナ!」
「んー?」

よいしょとリボーンによじのぼり、だらりとするリボーンのお腹の上に綱吉は座りました。それからべちょんとそこに俯せます。子ども特有の無邪気さといったところでしょうか。

「えへー。おにーちゃんあたかぁいね」
「ったくお前は…」

しょうがねぇなと言いながらぽんと綱吉の背中に手をまわせば、えへへと笑う綱吉の声が聞こえて。リボーンの常日頃から考えてありえないことですがこんなのも悪くないかもななんてぼんやりと思いました。
しばらくすればもそもそとしていた綱吉がじっと動かなくなりました。

「ツナ?」
「すぅ…すぅ…」

どうしたのかと首を動かしてみれば自分の上で、小さな寝息をたてて綱吉が寝ているではありませんか。最強とも言われるヒットマンの上で。

「おいおい……ったく、ヨダレだけは垂らすなよ」

そう言いながらもリボーンは笑って。
数分も経たぬうちに綱吉を抱き抱えるように同じく眠ったリボーンがいました。

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