「……ガキじゃねぇか」
先に口を開いたのはリボーンと呼ばれた真っ黒さんでした。低いテノールくらいの声に綱吉は握っていた手を更に強くします。
「まだ子どもだと言ったじゃないか」
おじいちゃんはいつもと変わりません。綱吉の頭を撫でながら微笑んでいます。
「綱吉くん、このお兄ちゃんが遊んでくれるお兄ちゃんだよ」
「おにーちゃん?」
そう、と言って近くに行くように促されます。遊んでくれるという言葉に反応したのか怖ず怖ずと綱吉はリボーンのいるベッドに近づき出しました。
「おいガキ」
「おにーちゃん、つな、がきじゃなぁよ?つなはつなよしって名まえ」
どうやら綱吉は自分の名前がガキだと思っていたようです。かわいらしい勘違いだとおじいちゃんはただ見守っています。
「ツナ」
「あい!」
元気よく返事をする綱吉にリボーンは額を抑えています。どこか痛いのかと恐る恐る綱吉は覗き込みました。
「9代目」
そのままの状態で唸るようにリボーンはおじいちゃんに言うものだから、綱吉はびくっと肩を跳ねさせました。
「ん?」
「本当にこいつが候補に上がってんのか」
「まだ彼は小さいのもあって正式ではないがね」
綱吉にすれば何やら難しい言葉が出てきて頭の中はハテナでいっぱい。こうほって何。せいしきって何。だけどもなんとなく聞いてはいけない気がしてそのまま二人をきょろきょろと見ています。
そのうちリボーンがはぁとため息をついて、綱吉と目が合いました。こてんと首をかしげる姿は可愛い可愛い子どもそのものです。
「わかった。ドンの頼みは聞かないわけにゃいかねぇしな」
「ありがとう。綱吉くん、いっぱい遊んでもらいなさい」
リボーンはため息まじりにそう言いますが、綱吉には何故ため息をついているかわかりません。それどころか遊んでもらえることが決まったとわかったのでとても嬉しそう。
「それじゃあリボーン、綱吉くんを頼んだよ。また後で」
そう言っておじいちゃんは部屋から出て行きます。おじいちゃんがいたから安心できていた綱吉は少し不安になってきました。
「あう…」
おろおろとする綱吉をリボーンは変わらず座って眺めています。
「子どもとは聞いてたがザンザスより少し下くらいと思ってたんだがな…」
まさかこんなに小さいとは思わなかったぞと呟きました。遊んでやってくれとは聞いていたのですが、リボーンはそれを鍛えてくれとの意味だと思っていたのです。本当に遊んでくれだとは思ってめいませんでした。
「ツナ、お前いくつだ」
「ふぇ?」
急に話しかけられたので綱吉はきょとんとしてしまいました。聞かれたことも頭の中に入ってなかったみたい。
「何歳だ」
「ごちゃい!」
小さな手をぱっと大きく開いて言いました。愛らしい姿のはずがリボーンにすれば悩みの種にしかなっていないのはリボーン以外に知る人はいません。
「……約束したもんは仕方ねぇ。遊んでやるぞ」
「うんっ!」
その後きゃっきゃと楽しそうな綱吉の声がしておりました。
----------
拍手ではザンザス15と書きましたが
やっぱ18か19で←
15だと中学生と気が付いた。