昼休み全てを注ぎ込んでどうするかを決めた。全て注ぎ込む程大変な作戦なんてもんじゃない。夜彼女の家に行き、奇襲をかける。前からの突破。ただ奇襲なだけ。それだけ。

「オメーいつまでいんだよ?」
「綱吉君と奇襲をかけるまでいます」
「君達二人じゃないだろ」
「まだ授業もあるし黒曜に帰ったらどうだ?」
「そうそう。先輩の言う通りだぜ?邪魔だし」
「邪魔ではありませんよ、ねぇ?綱吉君?」
「うるせえ。邪魔だ帰れ。夜まで来るな」

リボーンと口調が若干似てきた気がする。
しくしくとワザとらしく酷いという骸は放置。ついでに骸に喚く連中ほっぽってオレ一人リボーンの私物化している場所へと応接室を後にした。

「いる?」
「いるぞ。オメーも大変だな」
「大変だよオレは。リボーンさ」
「ほらよ」

ノックもせずに横にしゃがみ、声をかければがちゃりと開いた。多分見てたなこいつ。
ニヒルな笑みを浮かべながらオレに渡すのは十数ページのプリントされた紙。ぱらぱらとめくればオレの欲しいことがまとめて書いてあった。

「さすが先生」
「当たり前だろ。余裕だこんなもん」
「お礼に少し面白そうなの見せてあげる」
「期待半分で待ってるぞ」

ふふんと鼻で笑ってオレは立ち上がりそこを後にした。なんだかんだで生徒思いな彼くらいが調度良い。
鼻歌でも歌いそうなくらい気分良く教室へと足を向けた。



それから夜。並中の前に集合。赤崎家に押しかける。というか赤崎家を潰しに行く。文字通り家を。

「いい?周りは潰しちゃだめだからね?わかった?」
「はい!」
「頑張ってみるのな!」
「おう!」

返事だけはいいよねこの三人。一番駄目なのは返事すらしない二人かもしんないけど。

「さあ、強行突破と行きますかあ」

気合い十分。オレはグローブもはめたし各々武器は大丈夫。色々なストレスをすべてこれで清算しましょうか。
辿りつけばでかい屋敷だった。ロンシャンは和式だけど洋式のお屋敷。今からぶっ潰すんだけど。すみません色々と。隣はいないし、周りに家が少なくて良かった。

「行きますか?」
「うん」

時刻は夜十一時を過ぎたとこ。中学生にはこんな時間は奇襲だと思う。
オレの周りはやる気が目に見える連中ばかり。オレもね、濡れ衣やらいきなりここのファミリーの連中に切り付けられたりと苛々してたんだよすごく。

「まずは爆撃からの正面からこんばんは、ってとこですか?」
「それが良さそうだよね」
「任せて下さい十代目!」
「獄寺だけずりー」
「オレも極限にやりたいぞ!」
「僕らはどうすんのさ」
「聞いてました?昼間の話。正面入ったら好きにしていいですよ。じゃあ獄寺君やっちゃってー」
「ハイ!」

元気よく返事をして玄関あたりにダイナマイトを投げ込んだ。大きな音で辺りをボロボロにするそれに、家の電気が一斉に着いた。

「じゃ、後で」

満足気に見た後は真っ向からオレ達は中に入りばらばらとなった。
リボーンからもらった内部の構造は頭に叩き込んだ。二階の一番奥がこのファミリーのボスの私室。そこを目指して進む。
ぎゃあぎゃあと騒がしい中だったけど、案外混乱に紛れてスムーズに進めた。楽しそうな声とか奇妙な笑い事とかは聞かなかったフリを決め込んだ。好きにしろって言ったし。

「ここ、ね」

見つけた奥の部屋。中から少女の声とおそらくその父親の声がする。
にぃと自分で口の端を吊り上げたことがわかった。リボーンからもらった物を確認すれば尚更口角は上がる。オレこんな性格悪かったっけな。
でもしょうがない。これで終わるんだから。麻薬の取り扱いはないと言って、マフィアランドに出入りするようなファミリーが実は巧妙に隠れて扱ってました、なんて面白くないわけないもの。リボーンから貰ったのをよく読んでたら知らない間に笑ってたけど。キモいと言われても、って感じだったし。
さあ、ぐずぐずはしてられない。頭にオレンジに燃える炎を燈し、バーンと足で扉を蹴破ればほら。クラスメートと父親。おやまあ妹もそこにいたんだね。
引き攣る彼らに満面の笑みを張り付けて。戴き物をよく見えるように手に持って腕を突き出して。

「喧嘩売った相手を間違えたなあ?オレに喧嘩売ったせいでバレたくないこともバレちまったよ?残念だったねえ。後悔してる時間はねぇぞ」

先生見てますか。面白そうでしょ。茶番を終らせるのっていうのは。



「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -