オレの待遇が悪くなって半月とちょっと。明らかに避けられている。誰に。並中生徒に。

「十代目!今日放課後お時間ありますか?」
「うん、大丈夫だよ?」

ありもしない事を言われて、冷遇されて。それでも周りがなんと言おうがオレの仲間はオレを信じてくれた。オレ的にはそれ以上何も望みはしなかったし、それで十分だと思っている。

「じゃあ開けといてくださいね!」
「う、うん」

よくわからないけど、隣を歩く獄寺君は家にいる時からにこにことしている。
家にいると面倒なことになりかねないと直感が言ったから、獄寺君の家に転がりこませてもらっている。たまにリボーンに厭味を言われても、行動を起こさないオレが悪いと頭ではわかってるから言い返せない。何ができんのさ、中学生ごときが。協力もなにもしない傍観者でいるくせに。

「はよーっす」
「あ、山本!おはよ」
「うっす」

いつも通りの朝。朝練がなければ山本と通学路で会って、一緒に行く。二人がいるおかげで直接オレにうだうだと何かを言うやつはあまりいないし、二人がいる時は並中生も何もしてこない。ただ珍しいのは獄寺君が山本に突っ掛からないこと。それだけ何か良いことがあったのかな。

「連絡来たか?」
「今朝な。やっとだぜ」
「よーやくって感じだな」
「なんのこと?」

一体何について話をしているのかがわからなくて、二人に聞いた。連絡とか、オレには一切ないんだけど。

「えー、その」
「お楽しみってやつだ」

口ごもる獄寺君に代わって山本がにかりと笑う。二人ならきっとオレにこれ以上の害があることは仕出かさないだろうと思うけど。
疑問符いっぱいで首をかしげてみても、まあまあ。なんて言われて山本に肩を叩かれてはぐらかされた。獄寺君の言ってた放課後と関係があるのだろうけど、今のオレにはわからないからいいや。こういう時、超直感とやらは働いてくれないし。役立たずめ。

「んな顔すんなよなー?今日わかるからよ」

そんな笑顔のまま肩を組まれて。そんな近々わかるならまあ、いいか。なんて思うオレはおかしいのだろうか。
一つわかるのはオレの事で、ということだ。

「テメェ!十代目に馴れ馴れしいんだよ!」

そんな彼を獄寺君が引っぺがそうとする。
どんなにオレの遠い周りが変わっても、近い周りは変わることがなくて。いつも通りだった。それだけでオレは笑ってられる。



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