それから二時間程経ったでしょうか。綱吉はまだリボーンのお腹の上で眠ったままです。リボーンはドアが開く音に目を覚ましました。
「これはこれは…」
「ヨダレ垂らすなつったのに」
にっこり笑うおじいちゃんとは対照的にやれやれといった顔をリボーンはしました。
「リボーンも寝てたのか」
「みてぇだな。こいつと居たら少し調子が狂う」
普段リボーンは人前でというより、人と一緒に熟睡することはありません。それが二時間とは言え熟睡してしまったのは自分でも驚いたのでした。
「それが綱吉くんの魅力なのかもしれん」
「厄介な奴だ」
「成長が楽しみだろう?」
「まったくだな」
小さく笑ってリボーンは綱吉の頭に手を起きました。珍しいものだとおじいちゃんは目を丸くしました。それ程までにリボーンは穏やかな表情をしていたのです。
「うぅ、ん」
もぞもぞとお腹の上の綱吉が動きました。起きるのかとリボーンが顔を覗けば起きる様子はありません。頭に置いた手を背中に回せば気持ち良さそうに眠り続けています。
おじいちゃんはそんな綱吉に歩み寄り、すっと髪に手を通しました。優しく優しく頭を撫でます。
「もう少しすれば家光と奈々さんが帰ってくるよ。それまでおやすみ」
「……ほんっとにジジイの顔だな」
「穏やかといってくれんか」
そんなことを言われても和やかにおじいちゃんは笑っていました。