学校についてからは山本に話した。獄寺君にまでバレたなら黙ってちゃ駄目だと思うから。
そしたら山本複雑な顔して頷いた。知ってるんだ。実はごっこじゃないって気づいてたの。けどオレがマフィアの血族で次期ボンゴレ10代目だと認めたくなかったように、山本も本物だと認めたくなかったんだよね。だから言うんだ。

「マフィア"ごっこ"のボスはオレじゃなくなったんだ。ごっこを続けるならその指輪持ってて」

あえてごっこを強調して。

「…ちょっと考えるわ」

わかったとだけ伝えてオレは席に着いた。獄寺君は一時間目はサボるらしくていない。学校に着いて早々屋上に上がって行った。
悩める山本と開き直るしかないオレ。悪いのはオレ。散々巻き込んだのもオレ。だけどもう巻き込むのも、オレがその中心に立ってんのも嫌なんだ。だから開き直る。それしかできない。罪悪感もあるけどね。
時間はどんどん過ぎていって、三時間目の中頃に赤崎さんが来た。名前はクラスの人が言ってるのを聞いたから。興味ない人は覚えないんだもん。
そんな彼女、何故かボロボロだった。予想としては指輪をはめて拒絶されたのかな。
女友達は心配そうに話しかけてる。

「沢田君…ちょっと聞きたいことがあるんです…」

そうして昼休み。オレ達はご飯を食べ終わっても雑談なんてことをする空気でもなかった。わかるけど。
そんな時に彼女が声をかけてきた。

「なに?」
「ここじゃなんだから、場所変えても?」
「うん」

きっとボンゴレリングについて。そりゃはめた途端、傷だらけなんてびっくりするよな。見た時はオレだってびっくりしたし。
彼女に連れて来られたのは前と同じ空き教室。

「ボンゴレリングをね、はめたらこうなったの…」
「大丈夫?傷だらけだよ?」
「うん。もう一応は大丈夫。皮が張ってるみたいだから。私はなんでこうなったの?」

直球かよ。オレはいかにも心配そうな顔はするけど、内心はああやっぱりといった具合。ザンザス見てるから。
さてなんと言えば一番良いかな。

「多分、指輪に拒絶されたんだと思う」
「拒絶?」
「うん。前にもそんな人がいたんだ。けどその人は部下を道具のように扱ってたからなんだろうって思った」
「…知ってたんだ」
「言うの忘れちゃってごめん。けどオレは赤崎さんは大丈夫と思ったんだ」

ええ嘘ですとも。ザンザスが駄目なら無理でしょうよ。ザンザスはボスの器はあると思うし、ザンザスを受け入れてくれたらどんなに良かったと思ったことかわからない。
それにこの女も部下を道具の如く扱うだろう。ザンザスよりも多分ひどく。

「どう言うこと?」
「赤崎さんは部下を道具のように扱わないって思ったし、なによりクラスの人皆と仲がいいし優しいから大丈夫だろうってオレは思ったんだ。オレより意欲的だし。言わなかったことは本当にごめん」

嘘しか言ってねぇよオレ。悲しくなる程ナチュラルだけど。保身の為なら平気ですってな。

「そっか…そこまで考えて渡してくれたのね。ありがとう。でも、これを扱えるのは沢田君だけってことよね?」
「……残念だけど、そうなるかな」

現在のボンゴレのボスを除いてね。残念すぎる。押し付けたかったのにまた戻ってきやがる。


「…じゃあ、私と結婚、ううん付き合ってくれないかな」









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ようやく悪女さんが本性出してきた…!


 

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