クーデターから数ヶ月が経った。新ボンゴレを設立し、穏健派からは色々言われたそうだがザンザスの「ごちゃごちゃ言うなら消えろ」という一言でだいぶ静まったようだ。一言と言ったが実際一言で済んだかどうかは知らないけどね。
名乗るはボンゴレ、しかし基盤はヴァリアーであるが昔よりもかなり落ち着いたザンザスがドンである為、そこまで過激ではないらしい。ヴァリアー内暴力は抜いての話。門外顧問組織であるチェデフは旧ボンゴレについていたが為に解体。馬鹿な父親だねまったく。
最初はどうなるかと思われた新たなるボンゴレは、彼自身のカリスマ性というかボス気質のおかげであの後も人は彼について行っているようだ。更には優秀で苦労人な右腕によって大方復興を遂げている。もちろんオレのおかげもあるけど。ザンザスに言われた通りオレも三ヶ月は目が回る程働かされたし。きちんと報酬いただいたけど。むしろ報酬ないとやってられないよ。
そして今はといえば。

「ツナちゃん、例のファミリーについてはもう調べてくれたかしら?」
「できてるよー。資料はテーブルの上だから。誰が行く予定?」
「これね。誰って指定はないの?ないなら私とマーモンかベルかしら」
「そうなんだ。じゃあ決まったら色々練ってあげるよ」
「ふふっ、頼もしいわね」

とまあボンゴレお抱えではないが、ボンゴレ贔屓の一応フリーの情報屋をしている。だいぶ客もついたんだ。本部はヴァリアー本部だからオレの部屋もあるし、もういいかとオレは顔パスで普通に城内部をうろちょろとしていたりもする。オレがいつもかなりラフ着だからか、オレを知っているのか、どちらかはわからないがたまに驚かれたりする。それはそれで面白い。
守護者はあれからどうなったかは知らない。スクアーロがリングを回収しに行けばその後日本に帰ったとかどうとか。たいした興味なかったから覚えちゃいない。骸の一味はイタリアにいるらしくて会うけど。クロームとは茶飲み仲間だ。たまに千種や犬も一緒に。雲雀さんは同盟じゃないけど、形上ボンゴレに傘下になってる。理由は聞いたけど忘れた。ちなみに雲雀さんにも贔屓にしてもらってる。リボーンは言った通り評判落としてやった。ざまぁみろ。今頃ひいひい言ってればいいのに。
ルッスーリアが出て行って少し後、スクアーロがノックとともに入って来た。

「さっきのはルッスーリアとベルで行くんだそうだぁ」
「やっぱり。まだ時間あるからまた練ってあげる」

オレが絡んだ作戦を練るのはだいたいオレ。おまけみたいなもんだ。スクアーロとは協力して作ることもあるけど。

「わかった。それより綱吉、お前部屋片付けろぉ」
「えー、何がどこにあるかわかってる嫌」
「…………半分倉庫じゃねぇのか」
「バレたか。まあやることやってんじゃん。それにお前らには格安だよ?」
「それはありがたいがなぁ」
「ほら!じゃ、オレ一旦帰るからまた呼んで」
「ああ、じゃあな」

スクアーロが言うのもわからなくはない。紙やらディスクやらUSBメモリーでぐちゃぐちゃだもん。仕事用の机の回りは。場所もわかってるし、ちっちゃく書いてたりもするから大丈夫だし。
スクアーロにまたねとオレは適当に誰かを捕まえてオレの住む市街まで送ってもらう。それくらいはヴァリアーだった奴はオレが誰でどんなポジションにいるかがわかってるようでしてくれる。いい子だねえ。

「さてと、クロームかご近所さんか、どっちか呼んでお茶でもしますか」

車が止められたのは家より少し離れた街中だった。仕事終わりの晴れた昼下がり。のんびりと、しがらみなんてなくなったんだ。ゆっくりカフェでお茶でもしようか。
降ろされた大通りを人の目を気にすることなくオレは歩き出した。














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終わりました。長かったあ!
初の長編でたくさん拙いところ
稚拙なところが
多々あったと思います。

それでもここまで読んでくださって
本当にありがとうございました!


 

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