なんでも並中在籍中はいたるところに監視カメラをつけていたらしい雲雀さん。経費はどこから来るのか気になるけど黙っておこうか。
ノートパソコンに映し出された映像はオレがボンゴレリングを彼女に渡した時、ボロボロになって呼び出された時とその後だ。その後の映像はオレも初めて見たけど、苦痛を我慢して薄皮が張った傷口を開く赤崎華乃は、それはもう痛々しいとしか言いようがなかった。後は呆れしか出てこないね。
映像はここまで。ちなみに映像には日付も時間もちゃんと表示されているよ。

「で、デタラメだろ!」
「十代目がこんなことをするはずねぇ!」
「日付、時間もちゃあんと表示されているのにかい?」

こうなることを予想しての日付と時間なんだもの。

「そんなの後からでも出来るわ!小細工よ!」
「雲雀さんが自分に得もないのにする?君達だって並盛にいた時、雲雀さんがどんな人だったか覚えてねぇのかよ」

恐怖の対象。並盛に住む者なら一度は経験、もしくは見たことあるはずなんだから。それくらい沸いた頭でもわかるでしょうが。

「よくもまぁ散々と風紀を乱してくれたよ、赤崎華乃」

ノーパソをオレに渡して、かつかつと赤崎の目の前に立つ雲雀さん。テーブルは邪魔だと言わんばかりに蹴り飛ばした。うは、顔が恐怖で引き攣ってる。よろよろと後ずさりするけど、後ろにはソファーがあるから座るはめになる。

「私じゃ…」
「うるさいよ」

神出鬼没な雲雀さん愛用トンファーで彼女はがつんと頭を殴られソファーから落ちた。痛そう。モロに入ってるよあれ。
十代目!やら、華乃!やら守護者達は叫び、倒れた彼女に駆け寄った。まじ逆ハーレム。女性は羨ましいだろうねこれは。

「雲雀テメェ!」

立ち上がりジャキンと銃をリボーンは雲雀さんに向けたけど、雲雀さんは素知らぬ顔。自分の用は終わったと言わんばかりだね。

「僕はこれで抜けるよ」
「はい。行ってらっしゃい」

ノーパソは好きにしていいらしい。いらないんだけど。とりあえず隅に置いて、雲雀さんが出て行こうとすればそれぞれ怒りの声が上がった。

「出て行けると思ってんのかよ」
「華乃を、ボスを殴っといて行かせるわけねーのな」
「お前がこの部屋から出れるわけがなかろう!」
「うるさいよ。僕の用は済んだんだ。もうそれに興味もない。僕のボスは僕自身だ」

雲雀節。山本節ならぬ雲雀節。雲雀さんは変わらないね。

「雲雀を止めるなら俺が相手をしてやるよ」

壁にもたれているザンザスがゆっくりと口を開く。さっさと行けと言いたいんだろ。雲雀さんはその意図に気付いてか、暴れる為に執務室と言うんだろうか。この部屋を出て行った。
ザンザスに出てこられては少々まずいらしいね。守護者連中はザンザスには敵わないのか。

「さて、それじゃあ話を戻そうか」

まずはドンナを起こさなきゃ。



 

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テーマ「人外ファンタジー」
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