時刻は夜中の一時の少し前。場所はボンゴレ本部の周囲。少し寝て休めたからオレ超元気。そろそろ始まりますよってね。
「全員もう出れるってさ」
「おー。オレらもそろそろ行くよ。マーモンしんどいっしょ?頑張ってね」
「これくらい平気」
「頼もしい言葉だね。カウントダウーンいっきまーす」
腕時計を見ながら十秒前から数え出す。ゆっくり確実に秒針は進む。ゼロになった時に一斉に事を起こすよ。
「ごー、よーん」
明かりはついてる。何も知らないでドンナの周りでにやにやとした笑みを浮かべてんだろ。オレがそれを変えてやらぁ。
「さーん、にー、いーち」
始めましょうや。過去の落とし前。やられっぱなしで済む程オレは大人しくなんざねぇんだよ。
『暴れてこいカス共!』
無線機に響くザンザスの声にマーモンのかけていた幻術が解け、雄叫びを上げた野郎共が一斉に攻撃をしかける。作戦通りにスクアーロの部隊が特攻隊で、ベルの部隊がそれに続く。中はまだたくさん人がいたらしく、悲鳴や断末魔のようなものが聞こえてくる。周りにはマーモン率いる幻術、もしくは霧属性の者達が逃すまいと囲っているため逃げ場もない。
少し離れたところでオレとザンザスと雲雀さんが見ている。出入口が落ち着いたら行きましょうね。
「ねぇあれ落ち着くの」
「無限にいるわけじゃないんだから」
「大分減って来てるからな」
まったく優秀すぎても困りもんだね。高見の見物は悠々としてられないってか。
「お、減ってきた」
「そろそろか」
「行くよ」
へーいと雲雀さんに返して屍や屍になりつつある者達を乗り越えて、ボンゴレ本部内に入る。ヴァリアーに劣らぬ豪華さだね。すでにもう血や肉片で荒れていても。
「最上階だよね」
「カス共が片してるうちに、さっさと上がるぞ」
階段もボンゴレの人間が倒れていたけど、オレ達はそれも無視して進む。進む度に寒気がするのはなんでだ。計画失敗とかまじありえねぇぞ。
「この上だよ」
「一番奥だ」
階段を上っていって、更に寒気は強くなる。なんか感じたことある寒気だけど、それがなんだか思い出せない。ああオレ記憶力のばか。
それでも起こした以上、やり切るしかないわけで。途中で止めるなんて選択肢は用意どころか、あるはずもなくて。寒気を無視してドンナのいるところへ向かえば、寒気の正体がようやくわかった。
「クフフ、お久しぶりぶりですね。沢田綱吉君」
おっせぇよオレ。
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綱吉もノリノリ
つばさもノリノリ
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