次期ボンゴレの継承が決まり、日に日に忙しくなっていったが時間を割いてザンザスと話し合い先のことを決めていった。二ヶ月が過ぎる頃には道筋というかあらかたは決定する程にまで決めた。半年かからなかったね。

「最終確認。起動に乗ろうが堕ちようが今あるボンゴレ壊滅させる。そんで、新ボンゴレとしてザンザスがボスに着任。これで良い?」
「問題ない。俺達へのメリットはこれで構わん」

やっぱりボンゴレに執着心があるのは今も変わらないか。

「壊滅させる時、下っ端よろしく」
「フン、その前にあそこから離れる奴の方が多そうだがな」
「確かにね」

予測にすぎないが堕落していくだろう。赤崎だっけか。あれの知らぬ間に綻びは出来ていき、纏まりが崩れていくんじゃないかな。
ザンザスが反乱を起こす理由もちゃんと用意してある。こちらが何もなしにクーデターなんか起こせるわけないしね。

「そうそう。フランって子、オレに気付いてない?」
「綱吉に気付く?それはねぇだろ」
「かなぁ。あの子潜在能力高そうだし、なーんか薄々気付いてる気がする」

あの子にバレてもボンゴレ主要人にバレなきゃいいんだけどさ。そこまではオレの直感様も働いてはくれないからどうしようもない。

「……用心するに越したことはないか」
「そうだね」

懸念材料は減らしておくのが一番だから。クビ飛ばすわけにはいかないから尚更。普通の隊員なら飛ばせたかもしれないけど、能力値の高い幻術使いなんて早々いるわけじゃないし。

「まぁ向こうが何も言わないのなら放っておけ。ボンゴレも仕掛けて来ねぇ限り二年くらいは様子見だな」
「お、気長じゃん」
「でねぇとクーデター仕掛けれんだろうが」
「そうだけどね」

彼女が着任して半年とでも言うと思ったのに。性格丸くなったね少しだけ。ヴァリアー内暴力は健在だもん。

「話変わるけどさ、オレいつ帰れんの。一ヶ月以上ここに缶詰なんだけど」
「森ん中でレヴィ潰しといてよく言うぜ」
「全治たった二週間じゃん」

潰してないし。もう回復して任務出てんじゃん。
一週間前同じ場所でベルに全治一週間くらいの怪我も負わせたけど。一般人じゃないから一週間程度で済むんだってマーモンに怒られたな。

「……」
「なんだよ?」
「結論を言えば当分無理だ」
「ちくしょう」

わかってたけどさ。家帰ってご近所さんと仲良くカフェにでも行きたいよ。
もういいやいとオレは冷蔵庫からルッスーリアがくれたアイスを取り出して口に入れた。

「食べる?」
「いらん」

美味しいのに。
呆れた顔してザンザスはソファからオレを眺めてた。



 

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