マフィアの、それもめちゃくちゃでっかいボンゴレなんかになりたくない。
常日頃言ってたことだけど、言ってる以上に思ってた。だって誰が好き好んで犯罪に手を染めるんだよ。一般人だし。
ダメっぷりを家庭教師だと言う奴に披露してても諦めないし。諦めろし。演技だけど。ドジは本当だけど。
そんなこんなで未来まで行っちゃって、オレがボスになってる事実には驚愕を隠せなかったね。未来では予想以上に頑張っちゃったけど。友達は大事にするから。
帰ってきて、ようやく一息ついて平穏な日常が続いてる。平凡と平和な日常を愛するオレにはもの凄い嬉しい。

「おはようございます!10代目!」
「おはよう獄寺君」

10代目じゃないけどいちいち突っ込んでられない。身が持たない。
それから歩いてたら山本に会ったから一緒に登校。普段が帰ってきたって実感するね。

「ツナ、知ってるか?今日転校生来るらしいぜ」

席に着くと山本がそんなことを言って来た。転校生、ね。

「へーそうなんだ。どんな子だろ?」
「10代目に害を及ぼすような奴なら俺が果たします!」
「いや危ないから!しなくていいから」

忠実なのはいいけどもオレの平穏を壊すのはやめていただきたい。
転校生も同じで中学生らしい平穏の壊し方くらいまでは許すけど、常識の範囲を超えるものはやめて欲しいね。正直興味ないし。どうでも良いし。
そうこうしている内に朝のHRが始まった。

「今日は転校生を紹介するぞ。入ってこーい」

女子との情報があって男子は目を輝かせる。オレの憧れは京子ちゃんだし、別段興味津々にはなれないけど。
戸を開けて入ってきたのはなんともまぁオレが好きではないタイプの女子だった。いわゆるギャル系ってやつで。

「はじめまして。赤崎華乃です。よろしくお願いします」

言葉を発した瞬間寒気が背筋に走った。コイツはオレにとってデメリットしかもたらさない、超直感がそう言ってた。喋り方は見かけに反して育ちの良さを表しているようだったのに。

「席は…笹川の隣だな」
「はい」

言われた通り京子ちゃんの隣に座る。いいなあ、オレと代わらねーかな。ぼんやり見ていれば彼女はこちらを見た。にこりと笑うから、引き攣った笑いを返してやった。仲良く、なんて面倒だ。
隣の京子ちゃんがよろしくねと話かけていた。



 

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