「と言うわけ」

話し終える頃にはルッスーリアの手当ても終わっていて、オレもTシャツとズボンみたいな服装に着替えていた。これらはルッスーリアが持ってきてくれたもの。

「あのボスが…すごいわね……」
「ギャップが気に入ったんだろうけど、そんな違うなんて」
「けど今普通じゃん?」
「まぁね。普通っちゃ普通だけど並盛にいた頃より口調とか多少変わってるっしょ。それに素って言っても別にだよ。ちょっと雰囲気変わってちょっと目つきが変わるくらい。思考はだいぶ異なるけどね」

ダメツナという上辺を作ることはまず口調を変えた。そこから仕種や言動も作っていったから。上辺と言えどもオレからできてるわけだから、オレの一部なんだけど。
一部とはいえダメツナとオレでは思考が異なるからオレの雰囲気は変わるし、目つきと言うか眼はあんなに生き生きとしていないだけ。感情はあるから表情だって変わるからね。

「確かに雰囲気は変わってるね」
「だろ?」
「目つきもな。キラッキラしてる生き生きとした眼じゃねー」
「眼だけは苦労したんだけどな。人と関わらない時はいいけど、関わることが多くなるにつれて自己暗示かけてたもん」
「若いのに。まるで何かの境地に立ったことがあるみたいねぇ」
「…そう…かもね」

境地、ね。立ったことがあるならきっと期待とか信じるとかを辞めた日だろうな。幼いオレにそれがあったのかは謎だけど。

「さて、私はそろそろ戻るわぁ。夜更かしはお肌の天敵なんだからっ」
「じゃあオレも」
「おっけー。色々まじありがと。助かった。んじゃおやすみー」

オカマも堕王子もまた明日来るからと部屋を出てった。オレも少し眠くなってきたし寝ようかと思うけどマーモンどうする。

「マーモン寝ないの?」
「僕?ツナヨシがここに慣れるまで僕もここにいるから。眠いなら寝ていいよ」

優しっ。超優しいなコイツ。わしゃわしゃ撫でてやろうか。怒るだろうからしないけど。

「じゃあ寝るよ。朝日昇る前にマーモンも寝なよ」
「大丈夫寝るよ。おやすみ」
「おやすみー」

ふっかふかの布団に潜ればすぐに睡魔が襲ってきて、オレは眠りについた。久しぶりに明日を周りも心配することも気をつけることもなく眠るんだ。
起きたらやることはたくさんあるから今だけはゆっくりとね。



 

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