「うーん、考え中」
「考え中だ?」
「まだ決めらんない」
パターンはいくつかあるんだけどね。オレとしてはどうしたいかがまだわからないから。早々見つかりはしないだろうし、それなら時間はたくさんあるからゆっくり考えたいんだよね。
「テメェの事だ。それでも決定事項はあるんだろうが」
すごい流石ザンザス。雲雀さんといい、意外にオレを見てる奴は多いんだな。
「まぁね。沢田綱吉は行方不明、だからオレはこっちで日伊のクォーターとかなんとかっていうことにしようかなって。それと最終的なことはお前らにもメリットがあることにしたいとは思ってるよ」
日伊クォーターとか獄寺君と一緒だな。オレは日本人色が強いってことでいいや。イタリア人の血はいらないけど入ってるのは確かだし。
それにヴァリアーは結構協力してくれるみたいだし、借りたモノは返さなきゃね。そこんとこしっかりしてるつもり。
「どんなメリットだぁ?」
「そこまでは未定だよ。けど最終的にお前らにメリットがあるように運びたいな」
メリットの提示をしてくれると有り難いけど、時間とともにそんなの変化するでしょ。だからまだ未定なんだよ。
「後、今年一年はナチュラルイタリア人になるべくイタリア語学ぶ。誰か相手してね。それからはまた決めようかな。とりあえず今の決定事項はこんなけ」
「イタリア語なら私が教えてあげるわよぉ」
「ありがと、じゃあお願いするね。ザンザス、こんな感じだけどどう?」
無表情なザンザスに問う。今オレに決定権はないからね。ザンザスが帰れって言えばオレは帰るしかなくなる。人脈は元からないけど金も言葉もまるっきり彼らに頼るほかないんだもん。
「…いいんじゃねぇか。お前の言うメリットはこちらとしてもまだ未定だからな。ひとまずはこっちで落ち着けばいい」
「ほんとに!あー良かった。まじ安心したー」
「さすがボス!心が広い!」
レヴィうっさい。ベルがおんなじこと突っ込んだけど。
言葉はルッスーリアに教えて貰えるからいいとして、こっちでの偽名はどうしようかね。
「俺達ヴァリアー幹部は綱吉に全面協力してやる。その変わりお前は俺達に頭を貸せ。素のお前は頭が切れる。時には戦闘力として力を借りるかもしれんがカス共がいる、よってそれはないとは思うがな」
「バレることがないなら喜んで」
「交渉成立だ。空き部屋がある、そこに住め」
「おお!部屋まで提供とは嬉しいね」
こいつら幹部連中に異議はないのか。いや多分ないんだろうな。協力的なのはまじで有り難いけど。
「ツナヨシを外に出す時どうすんの?ヴァリアーってもここにいる奴以外には内密なんだろ」
「それは僕でしょ」
「マーモン?」
「そうだ。マーモンの幻術をかければいい」
「なーる」
そこまでしてくれんの。オレまじ頑張るわ。雑用でもなんでもするわ。
「一応は以上だ。決まったものは追い追い伝える。全てにおいて内密に、だ」
ザンザスの言葉にそれぞれがSiと言い出て行く。オレはマーモンの後について行くように言われ一緒に出た。
ひとまずオレの新居を見に行きますか。
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