20分後、本当に車は来た。しかもスクアーロ。パシリ体質だよな。
車の中で知ってる人でよかったと漏らせば当たり前だと返ってきた。

「テメェは幹部以外知りやしねぇ。ボンゴレにも内密なんだろぉ。それならうちに頼んだのがそもそもオカシイがなぁ!」

だって頼れるとこなかったし。ザンザスから携帯貰っといて良かったよね。貰った当初は何事かと思ったけど。いきなり命をかけて闘った相手が目の前に現れるんだよ。しかもオレ一人の時。何事じゃん。持っとけって携帯渡してくるし。その時にダメツナを脱いだらアイツは笑ってた。
雑談をしながら数十分、でっかい城に連れてこられた。ヴァリアー本拠地なんだって。
中に入っても見かけに劣らぬ豪華さでただ圧倒された。家じゃないよね本拠地じゃないよね。

「城じゃん!」
「城だけど?」

ちょ、そんなからっと言わないでよ。色々あったけど普通の中学生には驚愕しかできないっての。

「ゔお゙ぉい!さっさと来い!」

置いていかれたら迷子確実なオレは慌ててスクアーロについて行く。周り見てたら立ち止まりそうだから服の裾を掴んで。

少し歩き回って連れて来られたはなんともまぁ立派な扉。お邪魔しまーすと中に入れば映画の一コマみたいな部屋だった。ど真ん中にこれまた高そうな大きな長い机と椅子が並べられていて、一番上座の席にザンザスが座ってた。周りにはルッスーリアとレヴィが。

「来たか」

ニヤリと口の端を上げて笑うコイツ。だからオレも同じように口の端を上げてやった。

「来たよ」
「まぁ座れ」

続々とオレを連れて来た連中がそれぞれの席へと座ってくから、空いている一番下座の席に座らせてもらう。

「ツナちゃーん久しぶりねっ」
「久しぶりー」
「んもー、そんなボロボロになっちゃって!後で手当てしてあげるわ」
「まじか!やった。ありがとう」
「オイ」

大丈夫忘れてないから。だから睨むなよスクアーロは元々目付き悪いんだから。

「綱吉、一応は聞いたが俺は全容は聞いちゃいねぇ。協力を煽るなら全て話せ」
「そのつもり。ちょーっと長くなるけど聞けよ」

もう真夜中だと言うのにそこから全て話した。
赤崎という女にボンゴレリングを渡したこと、だが自分は扱えないから旦那になれと言ってきたこと、拒否すれば嘘ではめられ暴行や嫌がらせを。それも受け日に日に酷くなったこと、オレの守護者だった奴らも家庭教師も家族すらオレを疑い、次第には女を信じたこと諸々全てだ。
だいたい一時間半くらい喋ってようやく終えた。

「節穴ばっかじゃん」
「ボスを信じぬなど言語道断!」
「ホントよねぇ。手を出さなかったといえど、友達を信じないなんて駄目ね!」
「リボーンも堕ちたね…」

ベルが口を開いたからか口々に皆が言う。オレら仲良しに見えてただろうから余計に思うわな。

「……守護者全員かぁ?」
「いいや、一人だけお前はしないだろって言った人がいるよ。雲雀さん。えーっと雲の守護者のがわかりやすいか」
「あぁ、あいつかぁ……」

きっとスクアーロは多分山本を考えてんだろな。この時代のスクアーロも結構認めてたからな。手は出されてはないけど、もし山本が出してたらどうしただろうか。

「…カス共が」
「そう言わないであげなよ。最初から意見が変わったってことは周りやらを考慮した結果だろ。自分が信じたいと思ったことをしっかり持てなかったんだよ」
「フン。それでお前はこれからどうするつもりだ」

どうする、ねぇ。そうだよね、どうしようかな。



 

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