帰宅途中もヒソヒソと囁かれてる。大丈夫だよもういなくなるから。凶悪犯のようなこのオレは本来の凶悪犯を残して出て行くから安心してよね。しかし囁かれるだけならいいけど、ちょくちょく不良さん方が手を出して来るので帰宅はお早めに。

「ただいまー」

言ってみても誰一人出てこない。前はフゥ太やイーピン、ランボが煩く出てきたのにね。人間変わりようってすごいな。だからオレが言うのは多分癖みたいなもんだ。
自室に上がって着替えてごろんとベットに横になる。今日でさよならと思うとこの部屋にも愛着が湧いてくる。いまさら。
リボーンは骸と何をしていたんだろうか。珍しい取り合わせだからこそ気になるんだよね。考えても答えは出ないけど、考えてるうちにオレの意識は消えていた。
夕飯の匂いに誘われて起きれば6時半頃。やば。ぎりぎり。
財布と必要最低限だけ詰めた鞄を持って一階に。鞄は玄関に置いてリビングに顔を出せば、何もしないと母さんが言った通り皆が夕飯を食べる中、オレのものは見当たらなかった。

「女の子に謝るまでツッ君のご飯はありませんよ」
「だからオレは…」
「ツナ、往生際が悪いわ。隼人から聞いたけど女の子を泣かせたんでしょ。それは男として最低よ」

ちょっ、獄寺君ビアンキに言ったのかよ。いいけども。フゥ太は目を合わせようとしないし、ランボとイーピンはいつも通りだけどオレを見ようとはしない。子どもでも周りは見るのか。

「一見してあの赤崎という女はプライドが高そうだ。それが理由もなしに泣くとは思えないぞ。それにやってないならできないじゃなしに証拠集めくらいしたらどうだ」

リボーンが言うと正論っぽい。いや多分正論なんだろうけども。証拠集めなんて実際とっくにできてんだけどね。言うわけないじゃんオレが。

「っ…もういいよ!皆してオレがやったって思ってるんだろ!だったらこんな家、出てってやるっ!」

足音を大きくたててそのまま玄関へ。母さんやリボーンが一時の癇癪だと言ってた。すぐ戻ってくると。残念戻りません。入念に計画された家出だもの。
ばたんと扉を閉めて小さくさよならと呟いた。
約束の時間は七時。間に合う。誰が来てるのかわからないままオレは昨日の路地に向かって歩き出した。

さよなら並盛。










----------
第一章終了ー!
長っ!多分はしょれるとこたくさんあるんでしょうね。
はしょれないわたしは
文才が乏しいんだちきしょい。


 

「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -