あれから三週間程経ったか。クラスメートの暴行はひどくなる一方で、嫌がらせも増えた。下駄箱にはゴミが散乱しているし、常にオレは青痣や軽い傷などが付いてた。そんなものは日に日に増えていったけど。欝陶しくなったから上履きは持ち帰るとかはしてたけどね。
京子ちゃんはまだ答えの出ないまま一応は彼女を信じているらしい。ハルもオレがそんなことをする奴と思わなかったと泣きながら言ってきた。泣いた目には軽蔑があったね。お兄さんこと了平さんは妹が信じているなら、と彼女側。それでも思うことがあるらしく手は出してこなかった。まじ安心。骸やクローム達は伝わっているはずだけど何もしないし何も言ってこなかった。興味ないんだろうよ。獄寺君と山本はそのまま傍観者。オレが殴られてようが見て見ぬふりだよひどいよね。参加しないだけいいとしようか。切り傷火傷なんて勘弁だから。
一番勘弁願いたいのはあの糞女だけど。

「昨日もっ…また沢田君にっ…」

最近一人でいることが増えたオレだからこそ言えることを、これみよがしに言ってきやがる。殴られた蹴られた、最悪襲われそうになったとか。だれが襲うか!

「どうして?ひっく…どうして…私はただ…えっぐ…」

ただ何。ただ利用したいだけなのってか。ふざけろ。泣きながら言うから周りは煽られるじゃんか。

「沢田テメェ!」
「ダメツナがどれだけ赤崎さんを苦しめるんだよ!」

オレの方が苦しめられてるわ!とか言えないダメツナは暴行に耐えます。最近先輩方からもやられるからぼっろぼろなんだけど。なんなの。オレがお前らになにしたの。サンドバックじゃねぇんだけどどちくしょう。
倒れても尚、繰り返される。口の中が切れてよっしゃと血を吐き出せば彼女は叫ぶ。

「やめて!沢田君が死んじゃう!」

死ぬかボケ。血の味が口の中に充満しようと人間簡単には死ぬわけがない。
けれどもその言葉で無意味な暴力は止むんだ。だからむせて血を吐いてやる。汚くとも洗えばすむんだから。
そんな最近の学校生活。応接室がオレの逃げ場。雲雀さんとはまた休みの日にバトったりもしたね。勝ったけど。
家でもよそよそしさは増していった。
リボーンと口を聞くことも激減した。相変わらずマフィアは女を大事にするもんだ、とは言われるけどそれくらい。居候達も母さんもよそよそしくなった。

「好きな子をいじめるっていうのは思春期にはあるかもしれないけど、程々じゃないと本当のいじめよ」

なんて母さんが言ったけど、好きなわけないし。考え方は流石母さんとしか言えなかったね。
すぐに並中全体に広まってオレは風紀委員を除いて孤立。家ですら肩身の狭い思いをしてきてる。今では町で歩いてもヒソヒソと視線をオレにして囁かれてる。知らない不良にボロ雑巾にされたりもした。あれは地味に痛かった。つまり並盛でオレの居場所はない。四面楚歌状態だ。
うん、頃合いになってきた。最近よく電話する相手にそろそろ動いてもらおうか。

「もしもしザンザス?そろそろ手配してくれる?」

並盛との別れはもう間近だよ。



 

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