土曜日。昼過ぎに起きてぼんやりゲームをしながら夕方まで過ごす。
昼ご飯を食べてる時に母さんがおどおどとした様子で変わったことはないかと尋ねてきたから、どうやら耳に入ったようだ。リボーン聞かせないって言ってたじゃん。もちろん特にないと答えたけど、そう答えたオレは母さんの目にどう映ったんだろうね。そう、としか返ってこなかったし。
そして夕方。
雲雀さんと対峙のため学校に行く。リボーンには筆記用具買ってくるとか適当なこと言ってから。
屋上へ上がるとすでに彼はいて、御託は抜きだと即始まる戦闘。いいねゾクゾクしてくる。この時だけはオレがオレでいられる。
全力と言った通り、決着はすぐ着いた。
雲雀さんの振り回したトンファーをかわし一発鳩尾にいれた。はずだったが避けられて脇腹を蹴られた。とっさにガードしたけど。なんとか踏み止まって、反動で突っ込んだ。振り上げられたトンファーを掴み脇腹にミドルキックをお見舞いしてやった。よっしゃあクリティカルヒット!

「ぐっは!」

片膝つかせてやったぜ。しかしまだやるらしく、向かってきた。またも振り下ろされたトンファー避けて後ろに下がると連続的に撃ってきた。かすったりもしながら後ろに下がる。大きく振り上げて降ろしてきたのをそのまま流し、今度はハイキックを。やったねモロだ。ぶっ飛ぶましたぜお兄さん。そのまま地面とこんにちはまでさせて。

「勝負ありですよ雲雀さん」

手を付いて起き上がろうとしているが起き上がれないらしい。そんな雲雀さんを見下ろしながら終わったと告げる。まだだと言うかと思えば納得したみたい。意外すぎる。

「みたいだね。力が入らない」
「オレ全力でしたもん。起きてる雲雀さんがすごいって」

ブラックアウトするかもって思ってたし。雲雀さんはごろんと仰向けになって言う。

「まさかこんな力を持ってるなんてね」
「意外でしょ」
「本当に。約束だからね、黙っておくよ。元々言うつもりもなかったけど」
「ありがとうございます」

これでひとまずは安心だろ。実際気が気じゃなかったし。
少し回復したらしい雲雀さんだが、立つことはまだ無理らしくてフェンスにもたれて座った。オレの蹴りすげぇ。

「またやろうよ。楽しかったけど、こんなに早く勝敗が着くのは悔しい」
「喜んで」

戦闘狂だと雲雀さんを言ってはいけないかもしれんな。オレも好きだわ、同意の上のタイマンは。
そんな戦闘狂が立ち上がれるくらいに別れを告げ、文房具を買いに行く。嘘は本当にしないとね。
その道なりをある人物から貰った携帯で電話をかけて歩いた。



 

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